研究課題/領域番号 |
23K09449
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
熊澤 正雄 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (10771743)
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研究分担者 |
中村 芳樹 鶴見大学, 名誉教授 (10097321)
遠山 俊之介 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (10908940)
下山 美保 鶴見大学, 歯学部, 臨床助手 (10965122)
狩谷 千尋 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (10965867)
和田 悟史 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20581119)
井田 知美 鶴見大学, 歯学部, 臨床助手 (20965868)
菅崎 弘幸 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (30333826)
及川 崇 鶴見大学, 歯学部, 講師 (60386919)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 脳血流 / NIRS / 顎運動 / アイトラッキング / 認知機能 / 顎変形症 / 不正咬合 / 咀嚼 |
研究実績の概要 |
近年の臨床研究で、健常者で咀嚼によって前頭前野における脳血流量が増加すること、すなわち脳機能の活性化が確認されている。また、歯の喪失に伴う咀嚼機能低下と認知症発症の間の相関が明らかにされている。以上から良好な咀嚼機能は脳血流を促進し、脳機能を賦活すると推測される。顎変形症患者では咀嚼機能が低下していることがよく知られている。我々は、顎変形症の中でも骨格性下顎前突患者に着目し、咀嚼刺激による脳血流上昇をNear-infrared spectroscopy (NIRS)を用いて正常咬合者と比較し、骨格性下顎前突患者では脳血流上昇が小さいことを論文発表した。しかしながら、顎変形症などの不正咬合において咀嚼機能が低下するとなぜ脳血流が影響を受けるかについては十分解明されてはいない。本研究では不正咬合にともなう咀嚼機能の低下と脳血流量の関連を、動物実験およびヒト臨床試験を用いて解析することで、不正咬合にともなう咀嚼機能低下がどのようなメカニズムで高次脳機能に影響を与えるのかについて解明すべく研究を遂行中である。 本年度、臨床研究として顎変形症患者について初診、顎矯正手術前、装置撤去時、保定中の4タイムポイントの資料を取得し、比較を行うデータ解析を行った。さらに骨格性下顎前突症患者における認知機能の術前矯正中推移を明らかにすべくアイトラッキング技術による認知機能(記憶力、判断力、注意力、視空間認知、言語、見当識)評価システムにより各タイムポイントの認知機能を比較した。初診時には健常者と比較して同等性を示した認知機能が、顎矯正手術前では統計学的に低値を示した。このことから術前矯正により咬合機能が低減することで認知機能が低下した可能性が示唆された。今後詳細について更なる解析をすすめているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
被験者数が見込みよりも若干少なめではあるが、着々と被験者が増えてきており今後被験者数がある程度増えた時点で再解析をかける予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は臨床研究に集中した感があるため、次年度は予定している動物実験もすすめていき基礎研究からの解析もすすめていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は臨床研究を先行させたため、もともと動物実験施行に配置していた予算が次年度使用することとなりそのために次年度使用額が生じた。
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