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2023 年度 実施状況報告書

歯周病菌外膜小胞に着目したアルツハイマー病の次世代型リキッドバイオプシーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K09463
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

山本 俊郎  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40347472)

研究分担者 狩生 徹  尚絅大学, 生活科学部, 教授 (10412735)
足立 哲也  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10613573)
和久 友則  京都工芸繊維大学, 分子化学系, 准教授 (30548699)
金村 成智  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70204542)
PEZZOTTI G.  京都工芸繊維大学, 材料化学系, 教授 (70262962)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード外膜小胞 / ラマン分光法 / アルツハイマー病 / リキッドバイオプシー
研究実績の概要

本研究は、外膜小胞の分離技術とラマン分光法を用いた外膜小胞の特性評価による新規診断技術の開発を目的とする。近年、歯周病菌はジンジパイン等の毒素をナノサイズの外膜小胞に内包し伝搬することで、アルツハイマー病(AD)の発症や遠隔臓器に様々な疾患を引きと起こすとされている。外膜小胞はリキッドバイオプシーの対象として有望視されているものの、超微小であるために単離や計測、分析が難しく、あまり研究が進んでいなかった。
我々は、非破壊・非侵襲的かつ短時間で高感度の分子レベルの解析ができるラマン分光法に着目した。ラマン分光法を用いて、核酸を抽出することなく本来の状態の外膜小胞の分子構造を解析することで、様々な細菌の産生する外膜小胞の特性評価を行う。さらに、ヒト唾液中から超遠心分離を行わずに外膜小胞を集めることができる吸水ポリマーを用い、得られた外膜小胞をラマン解析することで簡便かつ迅速・高精度の次世代のポイントオブケア型リキッドバイオプシーの開発を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Pgの培養上清から超遠心法でOMVを精製し、得られたOMV は平均粒径35nmの球形を呈することを透過型電子顕微鏡および動的光散乱法で確認した。ラマン分光法によりOMVはPg 特異的なセラミドPhosphoglycerol dihydroceramide (PGDHC)やリポ多糖 (LPS) を内包し、歯周病細菌が産生する特異的酵素(N-ベンゾイル-DL-アルギニルペプチダーゼ)が濃縮されていることが明らかとなった。P.g由来OMVをヒト神経芽腫SH-SY5Y 細胞に添加培養し、 6 時間後にアミロイドβおよびリン酸化Tauの発現を免疫染色で確認した。
免疫染色の結果、OMV添加培養群は、アミロイドβおよびリン酸化Tauの形成が亢進されることが明らかとなった。ラマンプロファイリングから、GAPDHおよびジスルフィド結合(S‐S結合)に関連するバンドの増加を認めた。ラマンイメージングから、OMV添加群のコレステロールの集積を確認し、変性が加速する分子メカニズムを明らかにした。
本研究は、国際科学誌IJMSで成果報告を行った。

今後の研究の推進方策

今後は唾液からOMVを精製および検出する技術を確立させる。すでに本学医学倫理審査委員会の承認を得ており、被験者の選定を行う。

次年度使用額が生じた理由

消耗品の納品が当初の予定より遅れたため、次年度の繰り越し購入を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件)

  • [国際共同研究] ノバサウスイースタン大学/コネチカット大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ノバサウスイースタン大学/コネチカット大学
  • [雑誌論文] In Situ Raman Study of Neurodegenerated Human Neuroblastoma Cells Exposed to Outer-Membrane Vesicles Isolated from Porphyromonas gingivalis2023

    • 著者名/発表者名
      Pezzotti Giuseppe、Adachi Tetsuya、Imamura Hayata、Bristol Davide Redolfi、Adachi Keiji、Yamamoto Toshiro、Kanamura Narisato、Marin Elia、Zhu Wenliang、Kawai Toshihisa、Mazda Osam、Kariu Toru、Waku Tomonori、Nichols Frank C.、Riello Pietro、Rizzolio Flavio、Limongi Tania、Okuma Kazu
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 24 ページ: 13351~13351

    • DOI

      10.3390/ijms241713351

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公開日: 2024-12-25  

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