研究課題/領域番号 |
23K09474
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
梶原 弘一郎 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (80803915)
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研究分担者 |
玉置 幸雄 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (40369046)
沢 禎彦 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (70271666)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 糖尿病性腎症 / 歯周疾患 / P. gingivalis LPS / SGLT2 |
研究実績の概要 |
申請者はこれまで、腎糸球体が通常は発現しない自然免疫受容体TLRを糖尿病環境で発現し、歯周病原物質P.gingivalis LPS (TLR2/4リガンド)が糖尿病マウスに腎症を起こすこと、腸内細菌性TLR4リガンドの阻害剤がP.gingivalis LPSによる糖尿病マウスの腎症合併に予防効果を示すことを報告した。 そこで本研究は、歯周病原菌由来TLR2/4リガンドが糖尿病環境で腎症合併の独立危険因子となるのみならずsodium-glucose cotransporter 2 (SGLT2) 過剰発現を誘発して糖尿病増悪因子となる可能性を解明する目的で行われた。 その結果、SGLT2の発現は、通常、近位尿細管の内腔壁のみ弱く免疫染色される程度であり、P.gingivalis LPS 誘発性糖尿病性腎症マウスでは、近位・遠位尿細管と尿細管間質、および糸球体で観察され、その発現レベルは組織リアルタイム PCR および細胞ELISAによる分析でP.gingivalis LPS投与非糖尿病マウス腎、または P.gingivalis LPS 未投与糖尿病マウス腎より有意に強かった。一方、P.gingivalis LPS 投与非糖尿病マウス腎と P.gingivalis LPS 未投与糖尿病マウス腎の間に有意差はなく、腎SGLT2の異常発現はLPS単独では誘導されなかったことから、P. gingivalis が腎尿細管におけるSGLT2の発現を促進させることで糖尿病増悪因子となる可能性が見出された。以上より、歯周疾患の起因菌成分由来血中TLR2/4リガンドは、糖尿病性腎症の独立危険因子であるばかりでなく糖尿病 の増悪因子となることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の研究目標について、基礎研究については、糖尿病マウスの歯周病細菌感染モデル実験を完遂し、論文作成予定である。今後、疫学研究を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、 1)疫学研究の継続とデータ収集の完遂、 2)申請者らが確立したP. gingivalis由来LPS誘発性糖尿病性腎症マウスにおける白血球接着分子発現、 3)P. gingivalis由来LPS誘発性糖尿病性腎症マウスにおける、ナトリウム-グルコース共輸送体SGLT2の発現について、検索を完遂し報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験のため。消耗品購入、学会出張、論文印刷。
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