研究課題/領域番号 |
23K09477
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西岡 貴志 東北大学, 歯学研究科, 講師 (50641875)
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研究分担者 |
多田 浩之 東北大学, 歯学研究科, 講師 (70431632)
伊原木 聰一郎 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (80549866)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | ニコチン / 口腔がん / 細菌感染 / NETs |
研究実績の概要 |
口腔は他の臓器・組織に比べ、外界と常に交通し、恒常的に細菌感染、化学物質の暴露、温熱・物理刺激を受ける特殊な環境にある。このような厳しい環境のなか、口腔の60~90%の免疫細胞は好中球が占め、好中球は感染防御のみならず、口腔のホメオスタシス維持に重要な役割を担っている。その好中球の新たな機能として、好中球細胞外トラップneutrophil extracellular traps (NETs)が注目されている。これまで、NETsは、好中球に細菌感染のみならずニコチンの刺激が加わることで誘導されること、NETs産生を起点としてがん細胞の増殖や転移が促進されることなどが報告されている。喫煙がリスクファクターといわれる口腔がんの発生・増悪メカニズムとして、口腔内好中球の関与が疑われるが、その解明は進んでいない。ニコチンによる口腔内好中球NETsの質的異常がもたらす口腔がん発生・増悪機構を明らかにすることを本研究課題の目的とし、今年度は、口腔好中球による実験に必要な情報を得るため、まずヒト前骨髄球性細胞株(HL-60細胞)を用いた実験を行った。HL-60細胞をレチノイン酸で5日間処理し、好中球に分化させたのち、同細胞にニコチンによる刺激を行い、ニコチン刺激後のNETs産生反応を確認し、刺激時間、濃度等の条件検討を行い、Western Blottingでの解析に必要なおおよその細胞数の検討を行った。HL-60細胞で行った条件を口腔好中球で再現するために必要な細胞数を得るためには相当数のサンプル数が必要になることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響はまだ完全には消えておらず研究計画にやや遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定に沿って研究を遂行していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品の一部に納品の遅れや製造中止による変更検討が生じた。翌年度は当初の使用計画に則り実験を遂行していく。
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