研究課題/領域番号 |
23K09506
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
神野 哲平 九州大学, 大学病院, 助教 (60755247)
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研究分担者 |
赤星 朋比古 九州大学, 医学研究院, 教授 (20336019)
和田 尚久 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60380466)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | せん妄 / 口腔細菌叢 / 腸内細菌叢 |
研究実績の概要 |
予備研究で行った救命 ICU 患者におけるせん妄と口腔状態との関連について、症例数を増やして検討を行った。本研究は、当院救命 ICU に入室した 20 歳以上の患者を対象とした。初回は救命 ICU入室から 24 時間以内、2 回目以降は退室まで 2日おきにデータを抽出した。曝露因子は口腔状態(歯数、舌細菌数,口腔乾燥度、OHAT-J、 Eichner の分類)とし、交絡因子は年齢、性別、既往歴、疾患名、入院時SOFAスコア,手術歴、経口気管挿管歴、鎮痛剤の使用、経口摂取開始までの日数、救命 ICU 在室日数、在院日数とした。曝露因子である口腔状態の舌細菌数、口腔乾燥度、OHAT-Jスコアは、入室時・抜管前・抜管後・退室時のデータを抽出した。アウトカムはせん妄発症の有無とし、ICDSC (Intensive Care Delirium Screen Checklist) において 合計 4 点以上を「せん妄あり」と定義した。抜管後、救命 ICU 退室までの期間に1度でも合計 4 点以上となった場合、「せん妄あり」とした。舌細菌数は、舌苔を採取し、口腔内細菌カウンタを用いて測定を行った。口腔乾燥は、口腔水分計ムーカスを使用した。 せん妄発症の有無での2 群間比較では、経口気管挿管歴、経口気管挿管日数、経口摂取開始までの日数、救命 ICU 在室日数、在院日数で有意差を認めたが、既往歴や入室時疾患分類では有意差は認めなかった。 また、口腔状態との関連では、多変量解析の結果、救命 ICU 入室時の舌細菌数において有意差を認めており、救命 ICU 入室時の舌細菌数がせん妄の発症予測因子であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿った研究を行えた。
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今後の研究の推進方策 |
せん妄の発症と口腔状態との関連についての解析結果について論文投稿を行う。また口腔細菌叢および腸内細菌叢とせん妄との関連性について解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 学会発表での使用が令和5年度はなかったから。 (使用計画)学会発表での使用に当てる予定である。
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