研究課題/領域番号 |
23K09561
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
古屋 博行 東海大学, 医学部, 教授 (10276793)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | COVID-19 / 薬局薬剤師 / 公衆衛生活動 / オンライン服薬指導 / 健康サポート薬局 |
研究実績の概要 |
令和5年度(2023年度) (1)本邦における薬局薬剤師の相談状況に関する量的調査研究:神奈川県薬剤師会会員のいる調剤薬局を対象とした調査票を作成、利益相反委員会、臨床研究委員会に提出する書類の準備を進めていたが、2024年3月に定年退職、別機関への異動を控えており申請・承認に至らなかった。
(2)欧米、アジア先進国におけるCOVID-19パンデミック下での薬剤師の役割に関する文献調査:①まず、本邦における報告では、KambayashiらのCOVID-19に対する薬局薬剤師の一般住民への知識・態度・実行モデルによる調査(2021)を薬剤師に行った。地域住民からの問い合わせでは消毒薬やマスクの不足、オンラインでの処方や薬の宅配についてが多かった。態度としては感染について恐れを抱いているが、適切な感染対策を実施することで調剤を実施することに誇りを抱いている。また、実行では感染の疑いのある患者への投薬専用の部屋とマスク着用、換気で対処しているケースが多かった。 ②Kambayashiら(2023)は2019年から2022年1月に出版された研究報告についてシステマティックレビューを行い、最終的に30論文について質的量的検討を行っている。その結果、49%でオンライン対応が行われ、42%で薬の自宅配送が認められた。22論文から顧客へのCOVID-19に関する教育の実施は72.5%であった。COVID-19への対応のための薬剤師の行動変容で環境消毒とスタッフや顧客との距離をとることが81%、76%と多く占めていた。 海外における活動の比較すると日本における顧客への教育が60%であったのに対して、全体の22報告におけるメタ解析の割合は72.5%であり、やや日本の健康サポート薬局の取り組みが低い傾向であった。特に高齢者への教育については方法や内容等で工夫する余地があるように考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
以下の理由で研究遂行に遅れを認めた。 ①兼務の医療監査部業務について、新型コロナ5類感染症移行となったが院内感染対策による影響が少し残った。さらに、医師の働き方改革に向けた取り組みに向けた医療安全確保対策業務が輻湊した。 ②2024年3月に定年退職、同年4月に別機関への異動を控えており研究のスムーズな進行が出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
文献調査結果をもとによりターゲットを絞った調査票に改編し速やかに研究倫理審査員会に提出を進める予定。、 (1)これまでの報告では、薬局薬剤師のCOVID-19に対する知識・態度・実行モデルにより、薬局内における感染対策に関する知識や対策の内容に関する設問と自身の感染リスクに対する意識に関する設問は充分と思われるが、県や保健所との間における対応やオンライン対応時の問題点、また郵送、宅配あるいは訪問での投薬等に関する設問が充分でないため設問のブラシュアップを図る。 (2)実施時期が遅れたことで新型コロナ5類感染症移行後、ワクチン無料接種期間終了後、「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う薬局及び医薬品販売業に係る特例的措置関係事務連絡の廃止について」の特例が廃止後は医療用の抗原検査キットの新たな販売は出来ない等(2025年3月末まで取り扱い可)の相談状況についても調査予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
(1)研究機関の異動が予定されていたため調査実施に向けた取り組みが遅れた。 (2)2023年度に研究用パソコンの購入を予定していたが、生成AI等のAI機能を高速な実行を可能にするCPUが年末に発売予定のため、購入時期を一年遅らせ最新のものを購入することとした。
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