研究課題/領域番号 |
23K09580
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
市川 勝 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (70880566)
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研究分担者 |
東川 麻里 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (20509103)
秦 若菜 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50448958)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 失語症 / トーキングマット日本語版 / 意思決定支援 / 支援付き意思決定 / 権利擁護 / 回復期リハビリテーション / 生活期リハビリテーション / 言語聴覚士 |
研究実績の概要 |
本研究は、失語症のある人(Person With Aphasia:以下、PWA)の権利擁護の観点に立った「PWAの意思や選好を尊重した意思決定支援プログラム開発」のための基礎資料を得ることを目的に、PWAを対象とした意思決定支援の実態を明らかにすることを目的としている。 研究1として、回復期リハビリテーション(以下、リハ)病棟入院中のPWAの意思決定に対する思いや要望、医療者への期待等に関するインタビュー調査を行う。2023年度は、対象となるPWAを40名確保するための研究協力施設の確保および拡大を図った。その結果、新規に4施設の協力を得られることとなった。また、研究代表者による先行研究(MEXT科研費JP20341096)の結果をもとに、質的分析の手法に関して佐藤ら(2008)による分析手法や大谷(2007)によるSteps for Coding and Theorizationを採用することの有効性を研究分担者および研究協力者と協議し、継続的に検討することとなった。 研究2では、回復期リハ病棟に勤務する言語聴覚士が、自身の業務の中でPWAの意思決定をどのように捉え、実践し、どのように他職種と連携しているのか、その実態を明らかにすることを目的としている。研究代表者による先行研究(MEXT科研費JP20341096)において全国の回復期リハ病棟に勤務する言語聴覚士を対象としたアンケート調査を行うため、本研究では事例ベースでの情報収集が適切であると考え、質問紙ではなく個別にインタビュー調査を行う形に研究計画を変更した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究1では、当該期間中に選択基準を満たす対象者が想定よりも少なかったこと、COVID-19の感染拡大により研究協力が一時的に中止となった施設が出たことから研究協力施設を増やすことを計画したが、新規施設との調整に時間を要した。また、研究2では当初計画したアンケート調査からインタビュー調査へ研究計画を変更するための情報収集に時間を費やした。以上をふまえ、「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究1については、研究協力施設において選択基準を満たす対象者が抽出され次第、インタビュー調査を行う予定である。また、研究2では半構造化面接を行うこととしており、インタビューガイドの原案について専門家の意見をふまえながら研究分担者ならびに研究協力者と検討しているところである。こちらについて事例ベースでのインタビュー調査に協力いただける言語聴覚士を募集中であり、対象者が確保でき次第、インタビュー調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究1では選択基準を満たす対象者が想定よりも少なかったために旅費、謝金、研究補助のための人件費に未使用分が生じている。また研究2では研究計画を変更したことが理由である。2024年度には研究1,研究2を進めるうえでの旅費、謝金(対象者および専門的知識を提供いただく専門家)、人件費ならびに研究結果公表のための論文投稿費として使用予定である。
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