研究課題/領域番号 |
23K09615
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研究機関 | 熊本保健科学大学 |
研究代表者 |
川口 弥恵子 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (50633004)
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研究分担者 |
伊藤 泰信 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (40369864)
大谷 かがり 中部大学, 看護実習センター, 助教 (60535805)
山口 宏美 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 研究員 (00991895)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 看護師の仕事 / 看護教育への援用 / エスノグラフィ |
研究実績の概要 |
本研究は、看護師の仕事のうち、専門性が低く、患者への直接的なケアの邪魔になるとされてきた仕事に光をあて、そこに埋もれている看護師の知を明らかにし、その知見を組み入れた新しい看護基礎教育プログラムを開発するものである。具体的には、小規模クリニックでの長期間にわたるフィールドワーク調査から、特に看護師の仕事のうち「患者への直接ケア以外の仕事」の意味を明らかにする。これにより、これまでの患者への直接ケアを中心とした看護教育の問題点を指摘し、「直接ケア以外の仕事」は看護基礎教育にどのように援用しうるのか検討することが目的である。 本研究の3つの問いは、(1)看護師の「患者への直接ケア以外の仕事」とはどのようなものか?(2)医療機関の組織の規模や専門分化の違いは、看護師の「患者への直接ケア以外の仕事」にどのように影響するのか?(3)「患者への直接ケア以外の仕事」はどのように看護教育に援用しうるのか?である。 1年目の本年は、まず(1)の問いを明らかにすることに努めた。その結果、小規模クリニックの外来看護師の「患者への直接ケア以外の仕事」とは、診療の効率を向上させ、リスクやミスを防ぎ、患者の安全性を確保する。また限られたリソースを最適に調整し、組織のコスト効率をあげるはたらきだった。治療の連続性を確保し、他職種の仕事の境界の仕事を担うことでチームの調和を図ることに貢献していた。 次に(2)の問いに答えるために、比較対象として中規模病院の看護師の仕事についてフィードワーク調査を行った。現在、調査結果の分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の問いの(1)においては、おおむね調査を終了し結果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は小規模クリニックとは違う組織規模の病院看護師の仕事と比較検討することによって、上記の問い(2)医療機関の組織の規模や専門分化の違いは、看護師の「患者への直接ケア以外の仕事」にどのように影響するのか?について明らかにする。さらに、(3)それらの知見をどのように看護教育に援用しうるのかについて、研究分担者や協力者と検討することを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該助成金が生じた理由としては、予定していた国内学会発表ができず、旅費などがかからなかったこと、物品費やその他は最小限に使用にとどめたことによる。 次年度は、合算した予算を利用して、国内外学会発表、論文投稿などを行い、また、分担者や協力者との会議を引き続き開催して、旅費、その他の経費として使用する予定である。
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