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2023 年度 実施状況報告書

臨床で活用できる小児用製剤の服用性に関する比較データの創出

研究課題

研究課題/領域番号 23K09638
研究機関摂南大学

研究代表者

三田村 しのぶ  摂南大学, 薬学部, 講師 (70635630)

研究分担者 首藤 誠  摂南大学, 薬学部, 准教授 (30434872)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード小児製剤 / 服用性 / 官能試験 / 医薬品情報学 / 医療情報学 / 臨床薬学
研究実績の概要

小児において、苦味が強く、服用し難いとされ、幅広く用いられる抗生物質であるアジスロマイシン細粒およびセフジトレンピボキシル細粒の先発医薬品に対し、水及び各種飲食物と混合した際の服用性について、官能試験により評価した。
アジスロマイシン細粒について、水、牛乳、麦茶、ココア、プリン、メープルシロップ、アイスクリーム、服薬補助ゼリー各々と混合し評価を行った。甘味は、メープルシロップが高く、麦茶が低かった。苦味は、麦茶が高く、メープルシロップが低かった。ざらつきは、服薬補助ゼリーが高く、牛乳が低かった。服用しやすさの順位について、1位の割合が最も高値を示したのは、ココアであった。各種飲食物と混合した際の服用性について、製薬企業各社が提案しているものの中でも、服用しづらい飲食物があることが示された。
セフジトレンピボキシル細粒について、水、牛乳、麦茶、オレンジジュース、バニラアイス、ヨーグルト各々と混合し評価を行った。水と比較して、甘味の中央値は、バニラアイス、ヨーグルト、牛乳が高く、麦茶が低かった。苦味では、バニラアイス、ヨーグルト、牛乳が低かった。ざらつきでは、5種の飲食物において低かった。2top比率は、ヨーグルト、バニラアイスがそれぞれ66.7%、58.3%と高値を示した。一方で、麦茶の2top比率は0%と低く、2under比率は91.7%と高値を示した。
個々に応じた、服用し易い方法を提案するにあたり、各種飲食物に混合した際の服用性に関する情報の収集・評価は非常に重要である。我々は、今後も引き続き情報を集積し、発信できればと考えている。また、これら製剤の情報を基にした小児製剤への工夫や調製、服薬に対するアドバイスが実現できれば、小児の服薬による苦痛を少しでも和らげられるものであると期待している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

クリープメータ(株式会社山電製 クリープメータ 2軸化セット RE2-X33005C)よる粘度・付着性・ざらつきの評価に関して評価を行う予定であったが、機器調整に時間を要したため、現在条件検討の段階である。

今後の研究の推進方策

小児において、苦味が強く、服用し難いとされ、幅広く用いられる抗生物質や抗ヒスタミン薬、副腎皮質ステロイド薬、ST合剤について、水への懸濁・分散性の評価、ヒト官能試験による苦味・甘味・ざらつき強度の評価、クリープメータよる粘度・付着性・ざらつきの評価に関して、評価を行うことに加え、同一成分の医薬品、つまり先発医薬品とその後発医薬品について、製薬メーカー間での製剤の評価を行い、医療従事者・保護者が小児製剤を選択できる情報を得る。

次年度使用額が生じた理由

繰越金が発生した理由:医療用医薬品の供給不足により、使用予定の医薬品を調達することができなかった。
次年度の使用計画:医薬品を含めた物品費500,000、旅費50,000、人件費・謝金50,000

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] セフジトレンピボキシル細粒の各種飲食物混合時における服用性の評価2023

    • 著者名/発表者名
      三田村しのぶ、藤原なつ、首藤誠、高田雅弘
    • 学会等名
      医療薬学フォーラム2023 第31回クリニカルファーマシーシンポジウム
  • [学会発表] 官能試験による各種飲食物と混合したアジスロマイシン細粒の服用性評価2023

    • 著者名/発表者名
      藤原なつ、三田村しのぶ、首藤誠、高田雅弘
    • 学会等名
      医療薬学フォーラム2023 第31回クリニカルファーマシーシンポジウム

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公開日: 2024-12-25  

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