研究課題/領域番号 |
23K09655
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
中村 正樹 北里大学, 医学部, 講師 (30724554)
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研究分担者 |
前花 祥太郎 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (40803177)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 薬剤耐性菌 / メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 / 菌血症 |
研究実績の概要 |
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉は薬剤耐性菌の中でも特に分離頻度が高く病院内外で問題となっている。MRSA感染症の治療においては抗MRSA薬が使用されるがその種類は限られており,それらの薬剤に耐性化した場合は治療が困難となる。厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業〈JANIS〉による調査では,抗MRSA薬に耐性を示すMRSA菌株が報告されている。本研究は抗MRSA薬に耐性を示すMRSA菌株を対象としてその分子疫学背景を明らかにするものである。 本年度は北里大学病院において分離されたMRSA菌株について診療情報の調査を実施した。診療情報の対象期間は2014年度から2022年度までの9年々間とし,分離されたMRSAのデータ解析(症例,分離日,検査材料,薬剤感受性)を実施した。結果,分離菌株数の総数は6032株でそのうち血液由来株は397株であった。この397株について症例を調査したところ,症例数は220症例でそのうち単回のみの検出は149症例,複数回検出は71症例であった。さらに,複数回検出例のうち,持続的に菌血症をきたしているものは48症例であった。持続菌血症の症例について分離菌株に対する各種抗MRSA薬の最小発育阻止濃度〈MIC〉値を確認したところ,6症例において有意なMIC値の変化を認めた。 本年度の成果として,北里大学病院においても抗MRSA薬に耐性を示すMRSAの分離履歴があり,それが持続菌血症の経過中に発生している症例があることが明らかとなった。次年度はMIC値の変化を認めた菌株を中心に遺伝子解析を施行し,耐性化に関わる遺伝子学的特徴を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の実験計画として診療情報の解析と菌株の選定を予定しており,これらは概ね実行できた。次年度は予定通り菌株のゲノム情報を取得する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は選定したMRSA菌株の遺伝子学的解析を行う予定である。次世代シーケンサーを用いて分離菌株のゲノム情報を取得し,分子疫学的特徴(MLST,SCCmecタイピング等)を実施し,薬剤耐性化との関連性を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の想定より研究対象となる菌株数が少なく,解析に用いる菌種同定試薬ならびに薬剤感受性検査試薬の費用が抑えられたため。
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