研究課題
高齢化率がトップの我が国において、認知症の一次予防に関するエビデンスの確立は急務である。本研究は、2011年より開始したコホート研究(N=14,364)の枠組みのなかで、10年を超える追跡調査を行うことで、医療機関診療情報および介護保険情報の両方から認知症症例を収集し、①認知症を予測する変容可能な環境生活要因(特に食事・栄養要因)を特定する ②環境生活要因と遺伝子との交互作用を解明する ③認知症の予防・リスク要因を介護保険情報と医療機関診療情報で得たアウトカムで比較することを目的としており、初年度は、主に医療機関と自治体の協力を得て認知症の新規症例取集を行った。
2: おおむね順調に進展している
医療機関と自治体の協力を得て、順調に新規症例のデータ収集を進めており、DNA抽出および遺伝子解析も症例収集に伴い実施しているため。
初年度と同様に、医療機関での認知症診断及び、自治体の要介護情報に基づく新規認知症(要介護認知症)の登録を進める。そのうち、血液検体があるものについては、対照を含め、遺伝子解析を引き続き行う。これらの認知症登録の情報と、既に得られている対象者の基礎情報等を活用し、認知症発症リスクに関する要因について中間解析を行う。
追跡調査のデータ収集後の整理等、作業にかかる人件費が見積より少額であったため次年度使用額が生じた。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Journal of Alzheimer's Disease
巻: 94 ページ: 949~959
10.3233/JAD-230294