研究実績の概要 |
本研究の目的は、地域ベースの大規模・時系列調査結果を用いて、2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症が学童期の小児の生活状況、健康状態に与える影響について明らかにする、②また同時期において、都市部と非都市部の比較、学校の統廃合が発生した自治体における影響を明らかにする、ことである。 新型コロナウイルス感染症が学童期の小児の生活状況、健康状態に与えている影響について、国内外から報告がなされているが、地域ベースで行われた大規模かつ網羅的な時系列調査はほとんどない。本研究は、香川県で蓄積されている小児生活習慣病予防健診データを用いて分析を行うもので、新型コロナウイルス感染症の集団レベルにおける生活、健康に与える影響を知ることができ、生活習慣・身体計測・血液検査を時系列で比較するものでその意義は高い。 初年次は、当初計画に基づいて、倫理審査、データベースの構築を行った。データは2013年から2022年までの小児期の健康診断データベース88,628例(小学4年次77,277、中学1年次11,351例)である。これらを用いて、学童期小児の生活習慣と、肥満、脂質異常、耐糖能異常、肝機能異常との関連、及び新型コロナウイルス感染症流行前後の状況について分析を行った。小学4年次において、男子では肥満の割合、血液検査で基準値を超えた割合が増加していた。また男女ともに食事やスクリーンタイム等に変化がみられた。結果の一部は学術集会にて発表を行った。
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