研究課題/領域番号 |
23K09726
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
阿部 美子 獨協医科大学, 医学部, 助教 (10566558)
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研究分担者 |
小橋 元 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60270782)
岩田 昇 獨協医科大学, 看護学研究科, 教授 (80203389)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | ソーシャルサポート / 周産期うつ病 / 尺度開発 |
研究実績の概要 |
本研究では、①妊婦の受けるソーシャルサポート(SS)の構成概念を明らかにし、それらを包括的に測定・評価する尺度を新しく開発する。②この尺度を用いて妊婦の受けるSSの評価を行い、SSの各項目が周産期うつ症状とどのように関連するのかを明らかにする、ことを目的としている。これは、ハイリスク妊婦を既存の社会資源につなげる際の方向性を示すのに役立ち、結果として妊婦へのマクロレベルでの支援を拡充できる。 令和5年度は、尺度開発のため理論の整理と予備調査を行った。まず、SSと社会的ネットワークについて文献レビューを行った。SSは、個人が持つ社会的ネットワークから提供される4つの支援:情緒的・情報的・道具的・評価的として定義されるが、妊婦のSSについて、これらを包括的にまとめたものはなかった。そのため、次に予備調査で、妊婦が認識するSSを明らかにし、SSの概念に基づいて整理を行った。10か月児健診に来た経産婦を対象にフォーカスグループインタビューを計4回実施した(計11人)。インタビューの結果、妊婦のネットワークは、夫、実母、義母、友人、同僚、医療者、行政職員で主に構成されており、それぞれが4つの支援に関わっていることが明らかとなった。特に夫からの情緒的支援は強く認識されていたが、妊娠出産に対する不安に関しては、医療者や出産経験者からの情報的支援のほうが助けになっており、また、妊娠によりできていたことができなくなったストレスに対しては、実母の家事サポートや職場の配慮が効果的だったことがあきらかになった。このことから、妊娠中のストレスや不安には、これらのネットワーク構成員がそれぞれにサポートを提供することによって緩和すると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備調査の実施場所とインタビューが可能な対象者の確保に難航したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、今回明らかになった妊婦が認識するSSのカテゴリーを、既存の尺度項目や専門家の意見等も加味したうえで整理し、妊婦のSSを測定する質問項目を作成する。その後、作成された尺度の信頼性と妥当性を検証し、項目反応理論によって項目の性質を分析し、最終的な項目構成を決定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗がやや遅れたことで、消耗品や学術図書の購入が令和6年度にもずれ込んだため次年度使用が生じた。次年度は質問項目決定後の妥当性・信頼性の検証に消耗品やデータ入力委託等への使用を予定している。
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