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2024 年度 実施状況報告書

マルチオミクス手法による合成カンナビノイドの毒性機序解析:心血管系を中心として

研究課題

研究課題/領域番号 23K09762
研究機関名古屋大学

研究代表者

名取 雄人  名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (80610104)

研究分担者 石井 晃  名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (30252175)
道志 勝  帝京大学, 薬学部, 講師 (30392385)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードカンナビノイド / メタボロミクス / オミクス / GT1-7
研究実績の概要

大麻の主要成分であるTHCはCB1受容体およびCB2 受容体を介してその作用を発揮しその作用を模倣した合成カンナビノイドにおいても同様に作用を発揮する。一方で、合成カンナビノイドは法規制を逃れるために、その部分構造を変更して合成されるため、未知の作用機序や作用を示す可能性がある。本年度はマウス視床下部由来GT1-7細胞を用いて合成カンナビノイドHU210が代謝変動に及ぼす影響について、CB1受容体やCB2受容体アンタゴニストを用いてこれら受容体の寄与を詳細に調べた。また、C57B6/Jマウスを用いてHU210が自発行動に及ぼす影響についても調べた。
GT1-7を10uM HU210で3時間および24時間培養して回収し代謝変動を調べた。また、CB1受容体・CB2受容体アンタゴニストとしてそれぞれAM251とAM630を用いた。アンタゴニストが代謝変動に及ぼす影響を除くため、Controlに対してAM251およびAM630処理群で変動した代謝物を解析対象から除いた結果3時間培養した系では70成分が残った。ControlとHU210 処理群の比較では有意な変動があった代謝物は3成分のみだった。一方アンタゴニストとHU210の両方で培養した群を含めて解析すると15成分で有意な変動が生じた。次に24時間培養した系で3時間と同様にアンタゴニストの影響を除いた結果、78成分の代謝物を解析に用いた。Controlと10uM HU210群を比較すると有意に変動した代謝物は無かった。アンタゴニストおよびHU210処理群では8成分が有意に変動した。これらのことから、HU210 は単体ではそれほど大きな代謝物変動を起こさないものの、アンタゴニストを用いることで代謝変動がより強くなることが示唆された。
またマウスにHU210を腹腔内投与して自発運動量と立上回数を調べたところ、用量依存的に減少した。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の結果から、10uMのHU210単体で3時間および24時間培養した場合ではGT1-7の代謝変動は軽微だった。今回は24時間培養において細胞死が起こらない濃度として10uMを用いたため、細胞への影響が低かったことが考えられた。一方で、アンタゴニストを用いて培養した場合にはHU210単体で培養した場合と比較してより代謝物の変動が観察されたことから、それぞれのアンタゴニストが阻害するCB受容体以外の系でHU210はGT1-7の代謝に影響を与える可能性が考えられた。
マウスを用いた動物実験では容量依存的に自発運動量が減少した。同様に立上回数も減少したことからHU210は運動の抑制を引き起こすことが分かった。

今後の研究の推進方策

今後は動物実験を中心に実験を進める予定である。本年度の結果から、合成カンナビノイドHU210には自発運動量や立上回数を抑制する効果があることが分かった。そこで、HU210以外の合成カンナビノイド、例えばWIN55212やCP55940をマウスに同様に投与した際の自発運動量や立上回数を解析する。同時に、脳や末梢臓器、血液を回収して代謝変動を調べるとともに、プロテオミクスやトランスクリプトミクスを用いてその変動を網羅的に解析する。さらに合成カンナビノイド投与後の神経伝達物質の変動を掲示的に調べるために、脳のマイクロダイアリシスの系を構築しその変動を解析する。

次年度使用額が生じた理由

頻繁に使う消耗品をラージサイズで購入したことにより、単価を下げることができたため、次年度使用額が生じた。次年度においても消耗品やマウスの購入代金に充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Hypothermia increases adenosine monophosphate and xanthosine monophosphate levels in the mouse hippocampus, preventing their reduction by global cerebral ischemia2024

    • 著者名/発表者名
      Doshi Masaru、Natori Yujin、Ishii Akira、Saigusa Daisuke、Watanabe Shiro、Hosoyamada Makoto、Hirashima-Akae Yutaka
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 14 ページ: 1-16

    • DOI

      10.1038/s41598-024-53530-1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 焼死体由来液体試料中3-hydroxybutyrate(3HB)定量方法の比較:酵素法とLC/MS/MS2024

    • 著者名/発表者名
      名取 雄人、吉本 高士、山本 敏充、石井 晃
    • 学会等名
      第108次日本法医学会学術全国集会

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公開日: 2025-12-26  

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