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2023 年度 実施状況報告書

覚せい剤摂取後経過時間の新しい推定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K09779
研究機関川崎医療福祉大学

研究代表者

守屋 文夫  川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 教授 (40182274)

研究分担者 吉留 敬  川崎医科大学, 医学部, 講師 (40304307)
三浦 雅布  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80616235)
宮石 智  岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90239343)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードメタンフェタミン / アンフェタミン / 静脈内投与 / 経口投与 / 血液 / 尿 / 眼球硝子体液 / 胃内容
研究実績の概要

雄性ウサギを使用し、塩酸メタンフェタミンの生理食塩水溶液(50 mg/mL)を0.1 mL/kg静脈内投与する実験を行った。塩酸メタンフェタミン投与後10分(n=4)及び60分(n=3)に炭酸ガスによりウサギを安楽死させ、右心血、尿、眼球硝子体液及び胃内容を採取した。各試料について、pHを測定後、メタンフェタミンとアンフェタミンの濃度をGC-MS法により測定した。
右心血、尿、眼球硝子体液及び胃内容のpHは,10分ではそれぞれ6.7±0.1、7.7±0.2、7.2±0.2及び2.2±0.7であり、60分ではそれぞれ6.8±0.1、7.9±0.3、7.0±0.1及び2.8±1.5であった。メタンフェタミン濃度は、10分ではそれぞれ4.09±0.44、7.00±8.59、1.06±0.18及び11.10±4.90 μg/mL or gであり、60分ではそれぞれ1.26±0.42、3.56±2.67、0.58±0.03及び23.46±4.93 μg/mL or gであった。アンフェタミン濃度は、10分ではそれぞれ0.20±0.18、0.08±0.07、0.02±0.00及び0.19±0.10 μg/mL or gであり、60分ではそれぞれ 0.06±0.04、0.60±0.44、0.01±0.00及び0.74±0.13 μg/mL or gであった。
胃内容では、メタンフェタミンとその代謝物であるアンフェタミンは、メタンフェタミン投与後10分で右心血と同程度もしくはそれより高い濃度を示し、60分後においては右心血の約17倍と非常に高濃度を示すことが明らかとなった。一方、眼球硝子体液では、何れの時間においてもメタンフェタミン、アンフェタミンともに右心血よりもかなり低い濃度を示し、眼球硝子体液の濃度の立ち上がりが遅いことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ウサギを使用した実験計画(覚せい剤の投与方法、試料の採取方法、覚せい剤の分析方法)は、これまでの研究実績から妥当であると判断している。研究の進捗がやや遅れているのは、ウサギの覚せい剤耐性能がやや低く、興奮等により急死する個体も見られることから、慎重に実験を進めているためである。

今後の研究の推進方策

ウサギが死亡せず順調に実験を推進することができれば、概ね当初の予定通りに動物実験結果を得ることができると考えている。今後は、メタンフェタミン静脈内投与後120分以降のメタンフェタミンとアンフェタミンの右心血、尿、眼球硝子体液及び胃内容における濃度推移を検討する。また、メタンフェタミンを経口投与したときの両薬物の当該試料における濃度推移の検討を行う。
動物実験データが得られた後に、覚せい剤関連法医解剖例における体組織中のメタンフェタミンとアンフェタミンの分析結果の調査を実施する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 中毒死剖検例における薬物摂取時刻推定の基礎理論:覚せい剤を例として2024

    • 著者名/発表者名
      守屋文夫
    • 学会等名
      令和5年度瀬戸内法医診断研究会
  • [学会発表] ウサギを用いたメタンフェタミンとアンフェタミンの体内動態の解明(第1報)2024

    • 著者名/発表者名
      吉留敬、守屋文夫、三浦雅布
    • 学会等名
      第108次日本法医学会学術全国集会
  • [学会発表] 覚せい剤の体内動態の解明2024

    • 著者名/発表者名
      吉留敬、三浦雅布、守屋文夫
    • 学会等名
      日本法中毒学会第43年会

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公開日: 2024-12-25  

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