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2023 年度 実施状況報告書

道徳的推論を向上する風土を育むオーセンティック・リーダーシップモデル

研究課題

研究課題/領域番号 23K09788
研究機関横浜市立大学

研究代表者

勝山 貴美子  横浜市立大学, 医学部, 教授 (10324419)

研究分担者 加藤 憲  愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 教授 (90753038)
撫養 真紀子  兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (60611423)
朝倉 輝一  東洋大学, 法学部, 教授 (00522913)
真野 俊樹  中央大学, 戦略経営研究科, 教授 (20327886)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード道徳的推論 / オーセンティック・リーダーシップ / 組織風土
研究実績の概要

Covid-19感染拡大に対する経験は、医療従事者に臨床現場がいかに不確実で複雑,そして曖昧で変動的な中で様々な判断をもとめられることの苦痛を実感させた。さらに、医療従事者にとってその苦痛が長期化することは道徳的苦悩となり、患者ケアの道徳的側面からの撤退や良心的な意義申し立てをすることを躊躇し、離職につながることが明らかになっている。International Council of NursesのThe global voice of nursing(2023)には世界中の看護職が同様の苦悩を生じ、人材不足に陥っていると報告されている。Covid-19感染拡大に対する経験は、一方で,医療従事者は道徳的苦悩が生じるような経験を熟考する中で,自分自身の価値に気づき,それが他の人々とは異なることを認め,この価値感/モラル的視点に気づくという経験が学習・内面化し,自らの目標に情熱的で揺らぐことのない価値観を基盤にした,人々をひっぱっていくような行動,すなわちオーセンティック・リーダーシップを獲得するといわれている。本研究の目的は,医療の場で生じたCovid-19などに関連した道徳的苦悩の経験を様々な立場の語りから明らかにし,それらの経験を基盤とした道徳的な推論を育む風土を醸成するオーセンティック・リーダーシップモデルを構築することである。初年度は、先行研究の検討を行い、研究の学術的な意義を明確にするとともに、Covid-19感染拡大に関連した医療者の道徳的苦悩の経験について公にされた出版物をもとに組織文化の観点でその現象を分析、解釈することを試みた(勝山2024)。倫理的な組織文化を構築していく上で管理者、スタッフに求められるリーダーシップやその基盤となる価値は何かについて検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度は先行研究のレビューを行い、本研究の学術的価値を明確にするとともに、Covid-19感染拡大に際し生じた医療従事者らの経験を、公に出版された経験の分析、特に感染管理部門における医療従事者の経験についてインタビューを用いた質的記述分析を行う予定であった。出版物の選考、分析に時間を要してしまったため、研究倫理審査の計画がやや遅れてしまったため。

今後の研究の推進方策

2024年度(次年度)は、医療機関の感染管理部門に所属する医療従事者が経験した道徳的苦悩についてインタビューガイドを用いた質的記述的研究を行う。Covid-19感染拡大における道徳的苦悩の経験がどのような局面で自身の価値観に気づき,内面化され,倫理観・信念がしっかりと理解されたのか、分析を行う。同時に先行研究における概念分析を行い、本研究における概念を明確にするとともに、研究で用いるAuthentic leadership尺度の日本語版を作成者であるWalumbwa,ら (2008)の許可を得て行う。

次年度使用額が生じた理由

今年度は本研究の意義を先行研究をレビューし検討するとともに、出版された書籍を用いてCovid-19の時期における道徳的苦悩を検討するに時間を要してしまったためである。次年度は、今年度実施する予定であった調査研究を行う予定である。調査は、感染管理部門における道徳的苦悩の実態とその際の対応について質的記述的研究を行う予定である。また、調査で活用する予定の尺度の日本語版の作成を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 倫理的な組織文化とは―組織文化は医療環境において求められるのはなぜか、倫理的な組織文化はつくれるのかー2024

    • 著者名/発表者名
      勝山貴美子
    • 雑誌名

      北海道生命倫理研究

      巻: 12 ページ: 1-10

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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