研究課題/領域番号 |
23K09797
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
松浦 彩美 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (00514861)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | マインドフルネス / 瞑想 / 看護職 / メンタルへルス / プログラム / チベット仏教 / アウェアネス |
研究実績の概要 |
本研究は、病院に勤務する看護職が自宅あるいは職場から参加しやすい、チベットの瞑想を取り入れたメンタルへルス支援のオンラインプログラムを開発することを目的としている。今年度は、研究代表者が今まで開発してきた、看護職向けの対面によるプログラムを基に、文献検討や、チベット仏教の対面やZoomの瞑想会に参加して情報収集をし、看護職のメンタルヘルスに効果的で、病院に勤務する看護職が参加しやすいプログラムの内容を検討した。看護職の仕事の状況として、コロナ禍は過ぎたが、未だ病院は感染対策その他で、慢性的な人手不足も続いており、業務が増大している状況にある。また、職業柄、いつも患者や家族、多職種のことを優先しがちで、自分のことや、メンタルへルスに対するケアは後回しになりがちである。プログラムでは、まず自分の呼吸や身体の各部分に順番に気づきを向ける瞑想を行い、自分の身体や心の状態に気づくことをじっくりと行う。その後、歩く瞑想や、五感を使った瞑想など、日常生活や、仕事の中で取り入れられる瞑想を体験してもらう。その後、自分の思考や感情に気づく瞑想をしてから、二人ペアになり、マインドフルに聴く・話すという、全身で深く聴き、自分の話したい気づきを話していく実践を行い、普段のコミュニケーションとの違いにも気づいてもらう。また、慈悲の瞑想も体験してもらい、まず自分、次に、愛する大切な人、そして好きでも嫌いでもない人、次に嫌いな人、生きとし生けるものすべてへと段階的に、慈悲を送っていく。感情労働と言われる看護、対人援助職にとって慈悲の瞑想はどのような意味があるかについても、参加者でシェアをして頂く。体験した瞑想を、日常生活の中で、どう活かしていくかについても、シェアをして深める。2か月後フォローアップでは、思い出して瞑想を続けていくための工夫をシェアし、身体・呼吸・空間に気づきを向ける瞑想を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、オンラインプログラムの内容、プログラムの実施方法、対象施設、対象者、研究デザイン、調査内容、分析方法の検討を、時間をかけて行い、研究代表者の所属施設にて、倫理審査の申請を進めた(現在、審査中である。)。研究代表者の所属施設での倫理審査委員会での承認が得られた後に、対象施設の病院の院長、看護部長に、研究の依頼を行う予定である。その後、対象施設の看護部と相談しながら、研究の説明会を行い、研究参加者を募集していく。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、研究の実施が倫理審査で承認されたら、1施設に研究を依頼し、施設の看護部にご意見を頂きながら、看護職が参加可能なオンラインプログラムの日時を検討し、研究参加者の募集を進めていく。Zoomで研究参加の説明会を行い、参加希望の看護職には研究への同意書を郵送し、返送して頂く。2週間に1回、土曜日の午後などに、1.5時間のプログラムを4回、Zoomで実施し、終了してから2か月後に、1.5時間半のプログラムを1回、フォローアップとして実施する。プログラムの実施前、実施後、実施2か月後(フォローアップ実施後)に、質問紙調査を実施する。忙しい勤務の中で、毎回参加することが難しい看護職もいると思われるため、同じ内容のプログラムを別日に実施したり、録画してオンデマンド配信で見られるようにしたり、工夫をしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の情報収集のための学会参加が、勤務の都合で予定より少なくなり、参加費の使用が減ったこと、研究協力者から助言をもらう機会を設けることができず、謝金を使用しなかったこと、書籍購入費があまりかからなかったことなどにより、次年度使用額が生じた。
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