研究課題/領域番号 |
23K09800
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
鷹野 朋実 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (00409799)
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研究分担者 |
森田 牧子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (70582998)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | コロナ禍 / 看護師支援モデル / 労働環境の変化とストレス / 心理的ニーズ / インタビュー調査 |
研究実績の概要 |
本研究「コロナ禍のアクションリサーチから構築する災害等緊急事態禍における看護師支援モデル」について、2023年度は、関連する先行研究やすでに構築されている知見を収集・検討し、本研究の第一段階として、COVID-19パンデミック前から現在までの労働環境の変化とストレス、心理的サポート等に関するニーズをインタビューから明らかにする「施設管理者が考えるコロナ禍における看護師の労働環境変化と心理的ニーズの解明」の研究を計画した。この研究の目的は、病院管理者を対象に、COVID-19パンデミック前から現在までの労働環境の変化とストレス、心理的サポート等に関するニーズをインタビューから明らかにすることである。 COVID-19パンデミックにおける看護管理に関する先行研究は国内外の研究はいずれもパンデミック初期の段階に行われた研究であり、データ収集活動も3ヶ月内であり、長期的なパンデミック禍が看護師に及ぼす影響や望ましい支援などを扱うものはなかったことに着目し、我が国において1年以上の対応を医療機関および看護者が強いられたCOVID-19パンデミック禍の看護師の状況を経時的な視点も入れて明らかにするために、第一段階の研究として、看護管理部門の管理者の体験に関するインタビュー調査を行うこととした。この研究は、感染症のみならず様々な災害などによる長期的緊急事態禍での看護ケアの質保証のための支援モデル構築の基礎資料ともなりうる意義をもつことである。 この「施設管理者が考えるコロナ禍における看護師の労働環境変化と心理的ニーズの解明」の研究計画書は、研究者が所属する大学の研究倫理審査委員会で審査を受審し、承認された。2024年度初頭からインタビュー調査に着手するために、COVID-19の治療を重点的に担った病院5施設抽出し、研究協力の依頼および研究の説明を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度の研究活動として、①先行研究ならびに関連する知見の収集と検討、②アクションリサーチのプレアクションへの着手、③病院に勤務する看護師を対象として支援ニーズに関するインタビュー調査への着手を予定していた。①はほぼ順調に行えたが、③は研究倫理審査の承認を受けられた時期が予定よりも遅くなったため、調査に着手できなかった。②は③の調査結果のデータ検討と同時進行で着手する予定であったため、③の進捗の遅れが影響して着手に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に着手した第一段階の研究について、インタビュー調査(対象者10名)を2024年度7月までに終了させて、この研究結果をまとめて、2024年度内に専門学会での発表へのエントリーする。 2023年度に着手できなかったアクションリサーチのプレアクションについて具体的な研究計画書を立案して研究倫理審査で承認を受け、2024年10月にはプレアクションの協働者となる看護師を選定した後に、プレアクションの検討、評価をともに行い、看護師研修のプログラムの立案を目指す活動に着手する。研究データの整理等の作業には研究補助者を雇用し、本研究者がデータ収集活動、データ分析活動、研究におけるアクションに集中できるように工夫し、進捗状況の改善を目指す。データ分析においては、専門家からの助言・指導を積極的に導入し、データ分析の迅速な終了を目指す。 上記の研究活動の遂行によって2023年度の遅れを取り戻し、本研究の最終年度である2025年度の活動に支障をきたさずに、研究目標を達成できる可能性は極めて高い。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度に実施を予定していたインタビュー調査が行えていなかったため、インタビュー調査のために計上していたインタビュー参加者への謝金、インタビューデータの逐語録作成のためのアルバイト費用、インタビューデータの分析時にスーパーバイズを依頼する専門家への謝金が発生しなかった。これらの費用については、次年度(2024年度)に実施できることが見込まれており、使用計画が次年度への繰り越しとなった。
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