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2023 年度 実施状況報告書

病院と看護の国際化ガイドラインの普及と活用-文化多様性の包摂と医療格差の解消

研究課題

研究課題/領域番号 23K09806
研究機関姫路大学

研究代表者

野地 有子  姫路大学, 看護学部, 教授 (40228325)

研究分担者 野崎 章子  千葉大学, 大学院看護学研究院, 講師 (90361419)
飯島 佐知子  順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (80389890)
溝部 昌子  西南女学院大学, 保健福祉学部, 教授 (00625684)
神島 滋子  令和健康科学大学, 看護学部, 教授 (00433136)
岡本 美代子  順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (30735858)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードThe nGlobe guideline / Cultural diversity / Health care disparities / Cultural safety / Nursing administration / The US CLAS Standards / 普及と評価研究
研究実績の概要

文化多様性の包摂と医療格差の解消を目的に、病院と看護の国際化ガイドラインの普及と活用を課題テーマとした3年計画の研究の初年度にあたり、国内5名の研究分担者と、協力者および海外共同研究者らと進めた。本研究は3相から構成されており、初年度は第1相のnGlobeガイドラインの普及のテーマに取り組んだ。ガイドラインをわかりやすく伝えるための手引きの作成、ガイドラインの規格について検討した。また、導入時評価のために、ガイドライン開発時に参考にした、米国の全米CLAS(文化的・言語的に適切なサービス)標準が実施した評価研究で実施された調査項目について、我が国での実施にむけた検討を行った。これらの研究班での検討をもとに、2024年3月に、ワシントンD.C.にある米国保健福祉省マイノリティ・ヘルス局を研究代表者および分担者と訪問し、対面による検討会を開催した。出席者は、ガイドラインとCLAS標準の開発研究者および普及・運用の専門家であった。nGlobeガイドラインの紹介を行い、日米比較を通して意見交換を実施した。その結果、用語の定義、普及に関するコンセプトの日米の特徴、保健医療専門職の教育、ガイドライン評価の4点について検討された。全米CLAS基準では、文化に関連する用語の定義と関連性が図示されている。患者中心の医療(PCC)は、ガイドライン普及に役に立つ概念であり、日本ではPCCは専門職連携(IPE&W)と相まって広く受け入れられている。保健医療専門職の教育のために、CLASによって工夫された教育キットが開発され、ウェブでの使用と実践研修が提供されている。実践研修前後に能力アセスメントが行われ、短期間でも能力構築が観察されており、継続的な研修の必要性が述べられた。また。病院組織が全米CLAS基準を採用することを決定する重要な要因として、リーダーシップによる支援があげられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

進捗状況で、実施したことは、国内研究分担者とのオンラインおよび対面による研究会議、国内研究協力者および海外共同研究者、専門家による専門的知識の提供などを、オンラインと対面で実施した。その成果を、2023年韓国ソウルで開催された、The 14th International Nursing Conferenceで報告した。また、米国ワシントンD.C.にある米国保健福祉省マイノリティ・ヘルス局を研究代表者および分担者と訪問し、対面による検討会を開催した結果について、日本健康科学学会誌に投稿し、査読後の掲載決定通知を受けた。論文タイトルは、「Culturally and Linguistically Appropriate Services in Health Care: Report on Japan-U.S. Comparative Study Tour」で、米国CLAS開発者らとの共著とした。この過程で、追加の文献検討を行った。特に、医療格差に関する文献検討は、総論として日本健康科学学会誌に投稿が済み、査読を受けている。また、日本看護評価学会の次回学術集会で、本科研課題の研究成果を基盤としたシンポジウムが企画されており、研究進捗の第1相および2相の推進に資する機会を得て進めている。

今後の研究の推進方策

病院と看護の国際化ガイドラインの普及と活用を課題テーマとした3年計画の研究の初年度にあたり、これまでの研究実績を基盤に、国内外の研究班メンバーおよび協力者とのチームづくりが順調にすすんでいることを継続し、理論基盤としての概念整理の論文化、海外共同研究者らとの共同執筆による論文発表などの学術発信を、ますます加速させる。そのうえで、日本におけるnGlobeガイドラインの普及と導入時評価を行うにあたり、24年を経過した米国のCLASの開発とイノベーションを参考にし、我が国のデータ収集を実施していく。本研究の実施により、我が国の病院、患者、社会に適した医療格差を解消するガイドラインの導入方法を検討し、文化や言語の違いによる医療格差の解消に役立てる。アウトプットは、英語を中心とするが、専門紙だけでなく、臨床の場における導入にむけた成果物も含めて開発をする。

次年度使用額が生じた理由

文献検討用の事務用品を購入予定であったが、研究室備えの物で新たに購入する必要がなくなったため。文献検討は次年度も継続する予定なので使用計画がある。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] University of Bristol(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University of Bristol
  • [国際共同研究] U.S. Department of Health(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      U.S. Department of Health
  • [国際共同研究] Charite University Hospital(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      Charite University Hospital
  • [国際共同研究] Symbiosis International University(インド)

    • 国名
      インド
    • 外国機関名
      Symbiosis International University
  • [雑誌論文] Culturally and Linguistically Appropriate Services in Health Care: Report on Japan-U.S. Comparative Study Tour2024

    • 著者名/発表者名
      Ariko Noji, Akiko Nosaki, Julia Puebla Fortier, Rear Admiral Felicia Collins, Juliet Bui, Darci Graves
    • 雑誌名

      Journal of Japan Society of Health Scoences

      巻: 40(2) ページ: in press

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 令和の時代のグローバルヘルスと看護‐看護職の異文化対応能力に焦点をあてて‐2024

    • 著者名/発表者名
      野地有子
    • 雑誌名

      姫路大学大学院看護学研究科論究

      巻: 7 ページ: 9-19

  • [雑誌論文] 国際フロンティア産業メッセ2023出展レポート‐多文化社会のケアリングと多様性のマネジメント‐2024

    • 著者名/発表者名
      野地有子、片山はるみ、秦久美子、富安敏子、楠本真生、菅田龍、橋詰公嗣、森崎直子、菅野夏子
    • 雑誌名

      姫路大学看護学部紀要

      巻: 15 ページ: 35‐40

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 在日ブラジル人の東日本大震災の経験と心理的影響に関する記述的研究2023

    • 著者名/発表者名
      野崎章子、野地有子
    • 雑誌名

      日本健康科学学会誌

      巻: 39(2) ページ: 33‐41

    • 査読あり
  • [学会発表] Dissemination and utilization of internalization guidelines for hospitals and nursing in Japan: evaluation study development with reference to the U.S. hospital guideline study2023

    • 著者名/発表者名
      Ariko Noji, Akiko Nosaki, Sachiko Iijima, Akiko Mizobe, Sigeko Kamishima, Miyoko Okamoto
    • 学会等名
      The 14th International Nursing Conference, Seoul, Korea
    • 国際学会
  • [学会発表] An Examination of the Reliability and Validity of the Japanese Version of the Individualization Care Scale(ICS-J) Using an Internet Survey2023

    • 著者名/発表者名
      Sachiko Iijima, Ariko Noji, Akiko Nosaki, Akiko Mizobe
    • 学会等名
      The 14th International Nursing Conference, Seoul, Korea
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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