研究課題/領域番号 |
23K09846
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
佐々木 幾美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (90257270)
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研究分担者 |
西田 朋子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (20386791)
定廣 和香子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (60299899)
三浦 友理子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (70709493)
池松 裕子 修文大学, 看護学部, 教授 (50296183)
北 素子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80349779)
前川 幸子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (30325724)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | Academic Nurse Educator / 大学院教育 / 教育プログラム / 資格認定制度 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大学院教育を基盤としたAcademic Nurse Educator:ANE教育プログラム及びそのプログラムを組み込んだ資格認定制度モデルを開発することである。 令和5(2023)年度は、米国のAcademic Nurse Educatorの資格認定制度と資格認定のための教育プログラムについて、認定機関・大学等のHPから情報収集し整理した。また、日本の看護系大学院修士課程において、HPに公開されている教育課程から教育に関わる科目・シラバスを取得して内容分析を行った。 米国の資格認定制度では、求められるコンピテンシーを整理し、「看護学の大学院の学位と9単位以上の大学院レベルの教育コースを履修していること」という要件に合わせた大学院プログラムについて調査した。大学によって9単位~18単位の科目が設定されていた。教育理論を学ぶ授業はオンライン授業が中心であるが、教育実習が必修になっているのが特徴であった。 日本の看護系大学院修士課程については、2023年度に開設している215課程を対象とした。看護教育学等、教育に関する科目を設定している課程は、189(87.9%)であり、教育に関する科目を1科目以上必修にしている課程数は33(15.3%)であった。演習科目がある課程数は、41(19.1%)であり、実習科目のある課程数は9(4.2%)であった。実習科目では、演習・実習指導など基礎教育のみを対象としている課程が4(1.9%)、院内教育計画など継続教育のみを対象としている課程が1(0.5%)、両方を対象としている課程が3(1.4%)であった。看護系大学院修士課程で教育に関する科目を開講している課程は多いが、必修にしている課程は少なく、修了時までにそれらの知識を得る機会を持たない可能性が示された。また実習科目を設定している課程が少ないことが課題と考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に基づいて、海外のAcademic Nurse Educatorの資格認定制度と資格認定のための教育プログラムに関する情報収集をして整理している。また、日本の看護系大学院修士課程の教育課程・シラバス分析を行い、その実態を整理している。次年度はAcademic Nurse Educatorに求められるコンピテンシーをもとに、看護系大学教員に求められるコンピテンシー案を作成し、プログラム案を作成する計画である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6(2024)年度については、以下の3つの課題について研究活動を行う。 ①Academic Nurse Educatorに求められるコンピテンシーをもとに、看護系大学教員に求められるコンピテンシー案を作成しコンピテンシーの獲得に向けたANE教育プログラム案を作成し、国内の看護学教育の専門家30名程度に対してヒアリングを実施する。 ②プログラムによる学習成果をコンピテンシーの獲得という観点から測定するための評価ツールの原案を作成する。 ③ANEの資格認定制度のモデル案を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究補助の費用の不足が懸念されたため、海外書籍の購入を控えたこと、郵送料や会議に係るその他の費用がオンライン会議とメール等で行うことで全体としての使用額が少なかった状況にある。次年度は研究補助を活用しつつ、調査に係る費用に使用する。また、研究分担者の研究活動に合わせた分担金の配分を考慮していく。
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