研究課題/領域番号 |
23K09950
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
川本 祐子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (70527027)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 過敏性肺炎 / 抗原回避 / 患者 / 家族 / 教育 / 評価 |
研究実績の概要 |
過敏性肺炎の主要治療である継続的な抗原回避(原因抗原の吸入や接触を回避すること)は生活や家族への影響があるなど困難な場合も多く、医療者による継続的な支援(抗原回避に関する教育的支援、抗原回避の実施状況や抗原への曝露状況を評価する支援)が必要となる。現状では抗原回避を促す支援方法が具体的かつ十分に検討されていないが、抗原回避の実施状況が患者の病状進行や予後へ影響を及ぼすため、支援方法の確立は焦眉の課題である。患者の抗原回避を継続的に支援する方法の確立に向けて、本研究では、過敏性肺炎患者の抗原回避を促す教育ツールおよび抗原回避状況(抗原回避の実施状況、抗原への曝露状況)の評価ツールを開発することを目的とし、文献調査と介入研究を行う。 第一段階として、2023年度は、抗原回避を促す教育的支援方法、および、抗原回避の実施状況や抗原への曝露状況を評価する方法の探索のため、系統的な文献調査を実施し、知見を整理した。その研究成果一部は、国際学会でも発表を行った。また、第二段階として、抗原回避教育・評価ツール案の作成に向けて、ツールのコンセプト設計やデバイス選択などを検討した。アプリケーションの開発も視野に入れて検討しているが、構成内容のたたき台として、疾患や抗原回避の基本的な知識習得に向けた教育用小冊子や抗原回避行動を評価する尺度を試作した。今後、さらなる検討を重ねて、抗原回避教育・評価ツール案を作成していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに第一段階の文献調査を実施し、その成果を国際学会で発表した。また、第二段階のツール案の作成も進めており、今後の更なる検討に向けて、教育小冊子や評価尺度を試作した。
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今後の研究の推進方策 |
アプリケーションを開発する場合には、今後の展開も見据えた技術支援者を選出する必要がある。また、試作した教育・評価内容を洗練させる必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
文献調査および学会発表に要した費用が想定よりも抑えられたことと、文献調査の論文化に至っていないためそのための予算が現段階では未使用となったため翌年に繰り越しとなった。
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