• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

国際的基準であるEmergency Severity Indexを用いた緊急度判定教育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K09972
研究機関関西福祉大学

研究代表者

高岡 宏一  関西福祉大学, 看護学部, 講師 (70781699)

研究分担者 掛田 崇寛  川崎市立看護大学, 看護学部, 教授 (60403664)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワードトリアージ / 看護師教育 / 臨床判断 / 救急看護 / 救命救急センター / トリアージツール / 医療資源
研究実績の概要

本研究の目的は国際的なトリアージツールであるEmergency Severity Index(ESI)導入に向けた教育プログラムを開発し、この有用性を検証することである。従来、救急医療現場では、受診患者の増加や感染症のスクリーニングに対して、医師の診察を受ける優先順位を判断する緊急度判定が重要視されている。本研究では、この緊急度判定を支援する国際的なシステムの一つであるESIに注目した。ESIは、現行の判定基準に比して、精度を担保しながら診察待機時間の改善が期待できる。申請者らは、ESIシステムの臨床効果を検証し、本邦の救急臨床に導入可能であるという示唆を得た。さらに、ESIはトリアージナースの経験と専門性を活かし、わが国が直面する発熱患者のスクリーニング等臨床課題への効果も期待できる。本研究では、臨床導入に向けてESI教育プログラムの有用性を検証し、救急臨床における課題である患者の急変予防ならびに効果的で安全な救急部門の運営に貢献する。
まず、本年度はESI教育プログラムの開発準備として、協力施設の救急関連の臨床実践スペシャリストとともに研究チームを組織した。具体的には、ENAで実施されているe-ラーニングコースを基に、ESI教育プログラムの原案を作成し、日常的にトリアージを実施しているトリアージナースに意見を受け内容のブラッシュアップを行った。プログラムの構成としては、全6回のトリアージ講義資料や動画などの教材の妥当性および確認テストの問題についての評価を行い、信頼性・妥当性の担保された教育プログラムのパッケージ化をはかった。
次年度は、一次介入として、研究協力施設で作成したESI教育プログラムの有用性を検証するために、トリアージナースを対象に教育プログラムを受講した群(介入群)と教育プログラムで使用する教材を手渡した群(対照群)の判定精度の差を比較検証で実施予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に予定していたESI教育プログラムは予定通り研究チームでの協議をへて作成している。ただし、実際の臨床利用に関しては、病院施設の救命救急センターの状況を鑑み、開始時期を検討中である。

今後の研究の推進方策

今後の予定としては、次年度に一次研究として、予備研究で協力が得られた施設で実施した教育プログラムの信頼性・妥当性を評価する。具体的には、教育プログラムの各項目について、クロンバックのα係数を用いて内的整合性を評価する。また、有識者およびスペシャリストからの意見を聴取し、現行の教育プログラムについての課題や問題点を抽出し、ブラッシュアップをはかる予定である。
さらに、二次研究では、ESI教育プログラムの効果を検証する教育介入研究を実施する。具体的な教育介入の流れは、研究対象者をプログラム受講する介入群と紙面のみ手渡す対照群へ無作為割付し、共通の模擬患者課題確認試験を実施する。研究結果は、それぞれの群で偶然によらない順序付けを考慮した評価者間信頼性の一致度であるWeighted Kappaで分析を実施し、緊急度判定精度、医療リソースの予測精度を検証する。

次年度使用額が生じた理由

本年度の研究チームでの調整において、教育介入プログラムの作成まではいたったが、研究結果の公表ならびに論文投稿まではいたらなかった。そのため、研究結果の公表ならびに論文投稿にかかる予算を次年度にくりこし、準備結果を公表予定とした。

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi