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2023 年度 実施状況報告書

頭頸部がん患者の重症放射線皮膚炎の評価指標と関連するスキンパラメーターの同定

研究課題

研究課題/領域番号 23K09996
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

宮前 奈央  兵庫医科大学, 看護学部, 講師 (50811668)

研究分担者 大桑 麻由美  金沢大学, 保健学系, 教授 (30303291)
大貝 和裕  石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (40706983)
岡本 成史  大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50311759)
大江 真琴  金沢大学, 保健学系, 教授 (60389939)
冨士原 将之  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (90388827)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード頭頸部がん / 放射線皮膚炎 / 重症化予防 / 形態的特徴 / 皮膚エコー
研究実績の概要

頭頸部がんの放射線治療では放射線皮膚炎が重症化しやすく、重症化した場合には強い痛
みにより患者のQOLに影響を及ぼす。そのため、放射線皮膚炎の重症化予防や治癒を促すケ
アが重要であるが、確立したケアはない。本研究の目的は頭頸部がん患者の重症放射線皮膚炎の発生と治癒の過程を明らかにし、放射線皮膚炎の重症化に関連するスキンパラメーターを同定することである。本研究により、頭頸部がん患者の重症放射線皮膚炎の予防ケア開発につながることが期待される。
2023年度は、兵庫県内の大学病院一施設で、頭頸部がん患者を対象に、放射線皮膚炎が重症化し治癒する過程で生じる形態的特徴を明らかにし、照射部位のスキンパラメーターと形態的特徴との関連を明らかにする研究を実施した。研究対象者は30名を予定していたが、年度内のデータ収集期間で9名の対象者の調査を終了し、一旦分析を行った。その結果、頭頸部がん患者の重症放射線皮膚炎の発生と治癒過程の分類には限局びらんが生じたのち上皮化するタイプと、広範囲びらんが生じ痂皮形成するタイプがあり、両者に関連する要因として放射線治療開始前の皮膚細菌叢の組成の変化と真皮層のエコー輝度の低下があった。さらに広範囲のびらんが生じた対象者は真皮乳頭層に帯状の低エコー域が存在し、頸部のたるみ、細かいしわ、舌骨筋群に沿う凹凸という形態的特徴を有していた。
これまで放射線治療開始後に行われていた放射線皮膚炎の重症化予防のスキンケアを、放射線治療開始前より実施する必要性が示唆される結果が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り進んでいるため。

今後の研究の推進方策

研究計画段階では、重症放射線皮膚炎の評価指標を明らかにし、評価指標に基づいたケアを確立することを目的としていたが、今年度の結果より放射線治療開始前からの重症化予防ケアが効果的である可能性が示唆された。今後は今年度の研究で明らかとなった、放射線皮膚炎の重症化が予想される形態的特徴を有する人を対象に、重症放射線皮膚炎の予防ケアの効果を検証する。
まずは健常人で頸部のたるみ、細かいしわ、舌骨筋群に沿った凹凸という形態的特徴を有する人を対象に、真皮層の状態を改善するためのスキンケアを実施し、その効果を評価する研究を計画する。

次年度使用額が生じた理由

購入を予定していた測定機器の一部を借用することが可能となったため、購入費用が余剰金となった。しかし円安に伴い、海外ジャーナルへの投稿費用が高騰しているため、次年度の論文投稿費用として使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 頭頸部がん患者の重症放射線皮膚炎と皮膚細菌叢の変化の関連についての症例検討2023

    • 著者名/発表者名
      宮前 奈央, 大貝 和裕, 國光 真生, 福山 亜有美, 岡本 成史, 大桑 麻由美, 大江 真琴, 冨士原 将之,山門 亨一郎
    • 学会等名
      日本放射線腫瘍学会第36回学術大会
  • [学会発表] 重症放射線皮膚炎を生じた頭頸部がん患者の特徴:放射線治療開始前の皮膚の状態に着目して2023

    • 著者名/発表者名
      宮前 奈央, 大貝 和裕, 國光 真生, 大桑 麻由美, 大江 真琴
    • 学会等名
      第43回日本看護科学学会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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