研究課題/領域番号 |
23K09997
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研究機関 | 関西福祉大学 |
研究代表者 |
堀 理江 関西福祉大学, 看護学部, 教授 (20550411)
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研究分担者 |
鈴木 志津枝 神戸常盤大学, 保健科学部, 教授 (00149709)
福澤 利江子 (岸利江子) 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20332942)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 妊娠期がん / AYA世代 / 共有型意思決定 / 意思決定支援 |
研究実績の概要 |
本研究では、妊娠期間の区分に応じたがん治療方針に関する意思決定支援プログラムの開 発、評価を実施し、臨床現場で広く用いることを計画している。 令和5年度は、がん診療連携拠点病院の専門・認定看護師を対象とした妊娠期がん患者の受診の実態調査(科研費19K10967)を実施した。妊娠期がん患者に占める妊娠区分を明らかにした。回答数は91(有効回答率22.3%)、うち、妊娠期がん患者の受診は74(81%)であった。患者のがんの種類は乳がんが最も多く、子宮頸がん、白血病、悪性リンパ腫の順であった。がん治療の受療時期は妊娠中37(52.9%)、出産後19(27.1%)、中絶11(15.7%)で、妊娠期の区分は初期が最も多く(40.6%)、次いで中期(35.9%)、後期(23.4%)で、出産時期は正期産29(49.1%)、早産26(44.0%)で、出産方法は予定帝王切開が最も多かった。がん治療を妊娠中に実施したのは約半数であり、妊娠初期には中絶も含めた意思決定支援が必要であることが分かった。このことを踏まえ令和6年度からは妊娠期間の区分による意思決定支援プログラムの素案を作成する予定である。 また、科研費19K10967で用いた意思決定支援モデルを用いた介入を実施したがん看護専門看護師へのインタビューが1施設ではあるが終了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
妊娠期がん患者の受診の実態調査により、妊娠期がん患者の妊娠区分や治療時期を把握したため、意思決定支援プログラムの素案作成が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
妊娠期がん患者の受診の実態調査より明らかになったことを基に、妊娠期間の区分に応じた支援モデルの素案を作成する。全国的にAYA世代サポートチームが立ち上がりつつあるため、AYA世代サポートチームにも協力を依頼し、支援モデルへの助言をいただきたい。支援モデルを用いて、妊娠期がん患者と家族の意思決定を支援する施設も同時に募っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今までの研究でインタビュー調査を実施し、妊娠期がん患者の妊娠期の区分により意思決定支援の焦点が異なることは把握できた。しかし、実際の妊娠期がん患者の妊娠期の区分や治療を開始する時期については把握できていなかったため、先に妊娠期がん患者の実態調査を実施したため、研究の遂行がやや遅れている。 妊娠期がん患者の実態は日本と海外では若干異なることが報告されており、アンケート調査結果からもがんの部位等が異なることが分かったため、今後は広く情報発信し、さまざまな意見を取り入れながら、意思決定モデルの素案を作成する予定である。
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