研究課題/領域番号 |
23K10016
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
近江 圭祐 東邦大学, 看護学部, 非常勤研究生 (70895979)
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研究分担者 |
村上 好恵 東邦大学, 看護学部, 教授 (70384659)
安宅 大輝 東邦大学, 看護学部, 非常勤研究生 (90939993)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 血液腫瘍 / 妊孕性温存 / 意思決定支援 |
研究実績の概要 |
血液腫瘍患者の妊孕性温存は、他の腫瘍とは異なり、妊孕性温存の実施が困難となり、意思決定を行う時間が短いという特徴がある。そのため、血液腫瘍患者の妊孕性温存に関する意思決定を支援する看護師には、患者の心理状態に合わせ、多様なニーズを短時間で把握する能力が求められる。本研究は、認定看護師・専門看護師への半構造化面接を基に、血液腫瘍患者の妊孕性温存に関する意思決定を支援するためのツールを開発することを目的としている。 2023年度は、支援ツール開発に必要な半構造化面接を行うために、がん患者の妊孕性温存に関する現状把握と、AYA世代における血液腫瘍患者と他腫瘍患者が抱える課題の違いを把握した。がん患者の妊孕性温存に関する現状を把握するために、関連する学会・研究会への参加、先行研究のレビュー及び、また研究者が所属している医療機関の現状調査をおこなった。がん患者の妊孕性温存は、同施設でがん治療と妊孕性温存を行える施設と、他施設に妊孕性温存を依頼するがん治療施設では支援者が抱える背景が異なっていた。また、医療機関に関する地域格差によっても支援者の背景が異なっていた。 AYA世代における血液腫瘍患者と他腫瘍患者が抱える課題の違いでは、AYA世代肉腫患者が抱えるつらさに焦点をあてた研究をおこなった。研究結果より、AYA世代肉腫患者の抱える主なつらさは就学・就労であることが明らかとなり、がん患者の妊孕性温存に関する支援には、がん種の特徴を明白にする必要性があることを認識した。 2024年度は、妊孕性温存の意思決定に関わる支援者の背景を考慮した半構造化面接のインタビューガイドを作成し、現場の看護師が使用できる支援ツールを開発するための調査を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度では、支援ツール開発に関する調査を開始する予定であった。しかし、各所属先である医療現場での本務が多忙となり、研究に対するエフォートが低下してしまった。そのため、がん患者の妊孕性温存に関する現状を把握する段階でとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、ツール開発に必要な調査を開始する。現在、2023年度で把握したがん患者の妊孕性温存に関する現状を基に、半構造化面接のインタビューガイドの見直しをしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度より調査を開始する予定となっていたが、研究が遅れているため次年度使用額が生じた。次年度は、インタビュー調査に係る謝礼と交通費、学会発表のための参加費と旅費等に使用する予定である。
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