研究課題/領域番号 |
23K10028
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
西方 真弓 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90405051)
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研究分担者 |
有森 直子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90218975)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 出生前検査 / 情報提供 / 行政機関の看護職 |
研究実績の概要 |
2013年に導入された新型出生前診断は、2021年NIPT等の出生前検査に関する情報提供及び施設認証の新たな指針において全ての妊婦に情報提供を行っていく方針に大きく転換し、自治体に情報提供・支援体制が求められるようになった。そこで、本研究では、①出生前検査の初期対応を実施する看護職を対象とし、実施状況や教育ニーズ等を調査で明らかにすること、②①の結果から、出生前検査や意思決定に関する教育プログラムを開発することを目的としている。 2024年度は、全国市区町村及び指定都市の母子保健窓口、子育て世代包括支援センター等の看護職を対象にWeb調査を実施した。1896施設に協力依頼を送付し、289施設より協力が得られ、研究対象者数に応じて各施設へ説明用紙を688名分送付した。調査項目は基本属性、自治体の情報提供・支援体制の状況、教育ニーズ等である。486名より回答を得られ、回収率70.6%、有効回答455名(97.6%)であった。 実施状況については、全ての妊婦に実施している19名(4.2%)、妊婦が希望した場合のみ201名(44.2%)、実施していない235名(51.6%)であった。実施者は運営委員会や自治体が作成したホームページ等を活用し、「受検するかをよく考える大切さ」、「必ずしもすべての妊婦が受ける検査ではないこと」等や、「認証医療機関への受診推奨」といった認証医療機関につながるための情報を提供していた。一方で実施していない理由は、知識・情報不足、妊婦より相談を受けたことがない、情報提供のための資材不足等が挙げられた。新指針の運用から2年以上経過した時点での調査において、出生前検査の情報提供を全ての妊婦に実施する自治体の看護職は全体の4.2%にとどまった。その背景には看護職自身の知識不足や自治体において看護職が情報提供を行う意義・必要性への認識が影響していることが推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究分担者、協力者と研究会議を7回実施した。また、研究を進めるにあたり情報収集を関連学会にて行った。当初の予定どおりに、出生前検査の初期対応を実施する行政機関の看護職への実態調査を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の結果をもとに、出生前検査に関する知識、意思決定支援のスキル、カウンセリングマインドに関する教育プログラムの開発を計画していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
現地で参加する予定の学会を、業務の都合でオンラインで参加したことなどによる差額が生じたため。
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