研究課題/領域番号 |
23K10033
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
古賀 明美 佐賀大学, 医学部, 教授 (00336140)
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研究分担者 |
阪本 雄一郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (20366678)
武富 由美子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (20750342)
川久保 愛 佐賀大学, 医学部, 助教 (90710252)
松尾 照美 佐賀大学, 医学部, 看護職員 (50984754)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 敗血症患者 / 脳波 / 睡眠 |
研究実績の概要 |
本研究は、敗血症患者の睡眠に関連している要因を特定する過程を通して重症患者の睡眠障害を改善するための看護について検討することを目的としている。株式会社S’UIMINの脳波計を使用し敗血症患者5名の調査を行った。うち1名は死亡されたため2回目の調査が行えなかった。対象者は、20歳以上で48時間以上EICUに入室することが予測されている敗血症患者とし、主治医が調査可能と判断した者とした。1回目の調査はEICU入室直後、2回目の調査は呼吸循環が安定した時期とし、各24時間の脳波を測定した。重症患者の睡眠は、健常者に比べ睡眠の断片化(覚醒回数が多い)、以上な概日リズムを示し、浅い睡眠(ノンレム睡眠ステージ1および2)の増加、徐波睡眠(ノンレム睡眠ステージ3)とレム睡眠が減少することが知られている。 調査が完了している敗血症患者の概要は、男性3名女性1名、50代~80代、集中治療室の在室日数6~25日、人工換気の患者は1回目挿管2名、2回目に気管切開1名であった。睡眠変数としている日中と夜間の覚醒、レム睡眠、ノンレム睡眠(ステージ1、ステージ2、ステージ3)の割合については、現在分析中である。 速報値による結果から、各24時間測定したうちの21時から翌朝9時までを夜間とした場合、呼吸循環が安定した2回目の夜間の覚醒の割合が入室直後の覚醒の割合よりも高かった。対象者4名のうち2名は、呼吸循環が安定した2回目の夜間に8割以上覚醒していた。その他、4名中3名には1回目の夜間にレム睡眠が出現していたが、2回目には3名中2名にレム睡眠がなく、2回の測定ともにレム睡眠がない1名と合わせ、呼吸循環が安定した時期にレム睡眠がない対象者が3名であり、一日の睡眠-覚醒のリズムが著しく乱れていた。ヒトが生命を維持するために必要不可欠な脳の休息がとられていないと思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
医療機関に所属する研究分担者のの協力を得て対象者を選定し、調査を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
対象者選定基準に沿い対象者数を増やして分析予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査機器およびデータ解析の支払いが、予定した対象者数の全ての調査を終了してから支払うことになった。現在、調査進行中のため、調査機器、データ解析分の支払いが翌年に持ち越すことになった。
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