研究課題/領域番号 |
23K10051
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研究機関 | 梅花女子大学 |
研究代表者 |
原田 小夜 梅花女子大学, 看護保健学部, 教授 (40634382)
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研究分担者 |
後藤 広恵 梅花女子大学, 看護保健学部, 准教授 (20440894)
西垣 里志 宝塚大学, 看護学部, 教授 (70611606)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 高齢精神障害者 / クライシス・プラン / 多職種連携 / 地域包括ケア |
研究実績の概要 |
令和5年度はクライシス・プランの項目検討を進めるために、人口、医療資源の異なる大阪府内2市、滋賀県内2市、和歌山県内1市の地域包括支援センターの職員に対するグループインタビューを実施した。インタビュー協力者は、保健師又は看護師、主任介護支援専門員、社会福祉士の3職種で、高齢者の精神症状による緊急対応事例について、事例を想起しながら、事例の緊急時の症状、症状悪化のトリガー、具体的な対処方法を聞き取った。 その結果、緊急時の症状としては、幻覚・妄想に基づく近隣への他害行為、食事が摂取できないことによる脱水や衰弱であり、食事が摂取できない背景に精神症状が見られることが明らかになった。また、加齢に伴う身体機能の低下もあって急激に悪化すること、緊急対応では、成人期と異なり身体的なケアを優先して対処する必要があるが、受け入れ先の精神科病院を探すことが難しい現状にあることが語られた。独居の見守りをしている中では、妄想に起因する近隣への攻撃が起こっても、近隣の行為に対する許容度や精神科医療機関との関係性によって、対処が異なることが考えられる。病状悪化の早期把握が課題になるが、家族が精神疾患を有する場合など、悪化する要因が家族に関連することも多い。インタビュー調査の結果を、①緊急対応が必要になったときの症状、②トリガー、③対処方法と連携機関の3点を中心にクライシス・プランの項目を整理していく必要がある。また、地域別に課題が異なること、今後増える独居者対策、加えて、現在の高齢者の精神障害に対する偏見の強さ、障害と介護の連携の課題への対応など、インタビューから抽出された課題についての分析・検討を進める必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インタビューを進めるにあたり、関係機関との調整に時間を要したこととともに、地域の医療資源の差が対応に影響することが明らかになってきたことから、インタビューに行く地域を増やした。その結果、データ量が多く、分析が遅れてきている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、インタビューデータからクライシス・プランの項目を設定する。インタビューデータの分析は、緊急対応事例毎に症状や対処、トリガーについて分類し、共通点を洗い出す。洗い出した項目をもとに精神科医、精神科訪問看護ステーションや精神保健福祉士にインタビューで意見を聴取し、成人期のクライシス・プランと比較し、内容の妥当性を検討する。合わせて、地域包括支援センター職員のインタビュー結果の緊急時支援を進める上での課題について質的に分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度については、近隣での調査、オンラインでの調整を行ったこと、また、結果について発表することができなかったことで旅費等に差額が生じた。令和6年度には、成果を学科で発表する予定である。
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