研究課題/領域番号 |
23K10087
|
研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
山本 潤 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (80973833)
|
研究分担者 |
家吉 望み 東京有明医療大学, 看護学部, 准教授 (00582248)
加納 尚美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (40202858)
齋藤 梓 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (60612108)
藤岡 寛 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (90555327)
野坂 祐子 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (20379324)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
キーワード | バイスタンダー介入 / 第三者介入 / 大学 / 性暴力 / 研修 |
研究実績の概要 |
本研究では、性暴力防止に有効な一助となる被害当事者以外のバイスタンダー(傍観者・第三者)の介入に関する研修を開発することを目指す。そのためにバイスタンダー介入研修プログラムの内容および評価基準を明確にし、継続性のある研修としての「バイスタンダー介入研修プログラム」を開発することを研究目的としている。 初年度は、和歌山で開催された第10回日本フォレンジック看護学会において、これまで実施したバイスタンダー介入研修についての「大学生と大学教員へのBystander介入研修の効果」として報告した。対象者は大学生7人、教員3人の計10人の女性であった。 ・アンケートの回収率は100%、一部の無回答を除外した回答率は90%であった。 ・レイプ神話尺度では、学生は一部の項目でレイプ神話を容認する傾向が見られた。 ・研修後に学生の介入する義務と責任があるとの回答は増加した。教員は事前調査時から義務と責任があると回答していた。 また、諸外国の大学において実施されているバイスタンダー介入研修について、大学生に対して効果的なバイスタンダー介入研修を明らかにすることを目的に文献検討を行った。結果、10件のランダム比較試験、4件の準実験的研究、4件の一群研究について分析し、対面研修、オンライン研修などの実施形態やアスリート学生など対象とする学生群に特化した研修など多様な研修があったが、それぞれに効果が認められた。これらの結果を受けて、今後日本独自の課題を把握し、日本向けのバイスタンダー介入研修を開発したいと考える。この論文は日本フォレンジック看護学会第10巻2号に総説として掲載された(2024年2月発行)
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まず諸外国でどのようにバイスタンダー介入研修が行われているのか、また効果的なバイスタンダー介入研修は何かを明らかにするため文献検討を行い、論文にしたため。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年4月~3月まで、大学生のバイスタンダー介入についての認識と経験を明らかにする目的でフォーカスグループインタビューを実施する。同じ時期に、現在バイスタンダー介入研修を実施している団体に対し、どのような対象・頻度・内容・方法で実施されているかを実態を把握するためのインタビュー調査を行う。 これらの実態調査の結果を受けて、日本の大学生に向けたバイスタンダー介入研修を開発し、ランダム化比較試験を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
初年度は、諸外国での実態調査のための文献検討を行ったため。次年度は日本での実態調査のためのインタビュー等を実施するため。
|