研究課題/領域番号 |
23K10088
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
櫻井 育穂 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (30708516)
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研究分担者 |
丸 光恵 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (50241980)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 重症心身障害児 / 成人移行支援 / 移行期医療 / AYA世代 / Health care transition |
研究実績の概要 |
AYA世代の重症心身障がいを持つ患者と家族に対する成人移行支援の実態を明らかにし、患者家族中心の成人移行支援における医療者向けの教育プログラムを開発・実施・評価する研究を行っている。 今年度は、研究準備のため、日本における上記対象者への成人移行支援に関する文献検討を行った。結果として、日本における重心児者の成人期への移行における先行研究では、医師により移行状況に関する実態調査研究が中心であり、転院転科に伴う阻害要因が主な内容であった。その内容として、小児・成人診療科で共通しているのは、患者の疾患・障害特異的課題と親への対応であった。成人診療科側は、疾患や障害の重症度、生活・経済環境、家族の病状理解や医療機関への信頼度などの相違、長い病歴把握、発達による機能形態変化や、処置や管理の違い等、個別な対応を必要とする障がい児に対する診療に困難感を感じていた。医療支援体制の問題としては、小児診療科と成人診療科の体制の違いとして、小児診療科は成長発達も含めたトータルケアに比して、成人診療科は臓器別機能分化やかかりつけ医との機能分化があり、日常診療と緊急時のバックベッドの問題が指摘されていた。さらに障害児(者)への福祉サービスや各種手当、医療助成には年齢や所得による制限があり、特に日本の医療保障は多くが18歳で終了することから、このような制度の複雑さがシームレスな移行を阻害する一つの要因となっていることがわかった。 今後は、調査に向けて英文を含めた文献レビューを実施し、実査に向けて準備していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国外の文献を系統的にレビューするにあたり、キーワードの特定に時間がかかり、分析が遅れている。今後は、国外研究に精通している専門家に助言をいただきながら分析を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、英文献のレビューとととに、実査にむけて研究計画を立案し準備していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
文献レビューが遅れたことにより、学会発表や論文作成が遅れ、当該助成金が生じた。よって、次年度は上記に加え、調査費およびデータ分析費、会議費等で使用することとする。また、コロナ禍で学会等の現地参加が困難であったが、次年度は現地参加することにより、学会発表および研究者とのネットワークを広げていくために使用する。
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