研究課題/領域番号 |
23K10091
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
和氣 久美子 (木戸久美子) 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (40269080)
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研究分担者 |
三谷 明美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (60382389)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | ゲートキーピング / 夫婦関係 / 父親の周産期うつ病 |
研究実績の概要 |
1.母親のゲートキーピング傾向と父親の育児関与に関する文献検討 【背景】家事育児に対する女性側の信念や行動が男性の家事育児関与に影響することが知られている。男性の育児関与の低さは男性(父親)側の要因だけではなく、女性(母親)側の要因としてのゲートキーピング傾向が関与している可能性がある。しかし、本邦では母親のゲートキーピングと父親の育児関与についての認識が専門職に共有されているとはいえない。【目的】母親のゲートキーピングとはどのようなものか、また、そのゲートキーピング傾向が父親の育児関与にどのように影響するのかをこれまでの研究知見から明らかにする。【方法】医学中央雑誌とGoogle Scholarを用いて、論文を検索した。ヒットした文献のうち合計30件の論文をレビューした。【結果】母親のゲートキーピングとは「男性が家事育児を行うことを通して学習し成長する機会を制限することで、結果的に家事労働における男女の協働を阻害する信念や行動の集合体」と定義されている。ゲートキーピング傾向を測定する尺度も開発されており、その構成要素は、母親が父親を否定する抑制面を含む3因子から成っていた。【考察】ゲートキーピング傾向が母親側に存在する場合は、父親の育児関与を拒むことにもなる。そのことが、母親の孤立や産後うつのリスクを高める可能性もある。また、父親の精神面の健康状態に影響する可能性もあり、母親のゲートキーピング傾向を把握し、コントロールすることが健全な育児環境をつくる上で重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教育業務の負担が大きくなり、研究を推進する時間を確保できず、今年度実施予定であった母親のゲートキーピング傾向を把握するためのWeb調査ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、以下のことを行う。 1.研究を推進するための時間の確保 教育業務の補助を行う人員の雇用を行う。 2.研究分担者の役割 分担研究者に母親のゲートキーピング傾向のWeb調査を行う上の役割分担を明確にし、データ収集、分析作業を効率よくすすめる。 3.母親のゲートキーピング傾向を把握し、データを収集した後に、介入研究用の「母親のゲートキーピングコントロールのためのVR教材」の開発をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
教育業務の負担が大きくなり、予定していた母親のゲートキーピング傾向のWeb調査ができなかったために、その他の支出が少なくなっている。
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