研究課題/領域番号 |
23K10109
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
竹内 翔子 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00758261)
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研究分担者 |
中村 幸代 横浜市立大学, 医学部, 教授 (10439515)
窪田 和巳 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (50728946)
篠原 枝里子 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90804469)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 熟練助産師 / 会陰裂傷予防 / アセスメントツール |
研究実績の概要 |
出産に伴う母体損傷の一つである会陰裂傷は、性のQOL低下など長期的健康に影響を及ぼすため、その予防が出産後女性の健康を促進する上で重要である。会陰裂傷予防ケアは多岐にわたり、有効な予防ケアを選択する上で助産師のアセスメントが欠かせない。しかし臨床ではアセスメント能力が未熟な若手助産師が分娩介助に携わることが多く、有効なケアを選択できているとは言い難い。本研究の目的は、助産所の熟練助産師の実践知を言語化した会陰裂傷予防のためのアセスメントツールを開発することである。 2023年度は日本の熟練助産師によるアセスメントの特徴を探索するため、フィリピンでのフィールド調査を実施した。フィリピン共和国イロイロ市にある分娩を取り扱う病院やヘルスセンターの看護職を対象に会陰裂傷予防に対する認識についてのインタビュー調査を実施した結果、フィリピンの看護職は会陰裂傷予防の重要性を認識しており、予防のためには会陰保護やいきみの調整など分娩介助技術を重要視していることが明らかとなった。この結果は、研究代表者らが実施した日本の病院で勤務する助産師を対象に会陰裂傷予防のための分娩期ケアを明らかにした質問紙調査の結果と類似した結果であった。さらに日本の助産所の熟練助産師を対象にしたインタビュー調査の研究計画を推敲しており、2024年度は倫理審査委員会承認後データ収集を行い、会陰裂傷予防につながるアセスメントの具体的内容を明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度はフィリピンでのフィールド調査に加え、日本の熟練助産師を対象としたインタビュー調査を実施する予定であったが、研究計画の立案に留まったため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は日本の熟練助産師を対象としたインタビュー調査を実施し、アセスメントの具体的内容を明らかにするとともに、アセスメントツール原案を開発する。2025年度は当初の計画通り日本の助産所で勤務する熟練助産師を対象に質問紙調査を実施し、アセスメントツールの信頼性および妥当性の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の遂行が遅れたことにより、調査で必要となる交通費や人件費等が使用できなかったため。2024年度は調査にあたり必要となる物品費やデータ収集施設までの交通費、人件費等で使用予定である。
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