研究課題/領域番号 |
23K10140
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
下山 京子 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 教授 (50586518)
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研究分担者 |
中村 勝 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30306237)
田崎 知恵子 東都大学, 沼津ヒューマンケア学部, 教授 (00389892)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 小児がん経験者 / 復学支援プログラム / 復学 / 復学後の問題 / 教育機関との連携 |
研究実績の概要 |
この研究は、小児がん経験者が最も困難として捉えていた復学後の問題に焦点をあてている。現状での教育機関で生じている小児がん経験者を取り巻く問題を明らかにし、小児がん経験者が復学後、生活しやすい環境を整えることが可能になる教育機関への支援プログラムの開発を行う。多くの実態を明らかにするために、教育機関の教員・小児がん経験者・その母親に復学後の問題状況についてアンケート調査を実施する。その後インタビュー調査を実施し問題状況を明確化する。それぞれの研究結果を基に、効果的な支援プログラムの開発及び評価を行う。現在は、小、中、高校、養護教諭に対する教育機関への教員のアンケート準備に着手している。アンケートの実施で、教員の現状での思い、課題等が浮き彫りになってくると考える。その後は、インタビューに協力を得た教員より、より詳細な現状把握に努めていく予定である。 申請者が行った研究では、ほとんどの小児がん経験者は、復学後、学校に戻ってもがん罹患前の自分には戻れないと語っていた。小児がん経験者がなぜそのような感情を持つのか、また、小児がん経験者を受け入れる教員や見守る母親がどのような問題と対峙しているか、現状の詳細な問題を明らかにし、生活しやすい環境を整えるための教育機関に対する支援プログラムを開発・評価することである。また、開発した支援プログラムを各教育機関で使用し、小児がん経験者にとって効果的なものになっているのか評価を行う。これらを行うことにより、小児がん経験者の復学後の問題を解決する一助になると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、アンケート用紙を作成するにあたり、海外での小児がん経験者に対する医療者と教育者との支援体制の現状について、CINAHL等で検索し、文献検討を行った。海外においても、医療者と教育機関との連携は難しく、なかなか機能していない状況があることがわかった。そのことを踏まえ、アンケート調査内容の検討を行った。現状、どれくらいの関わり方に問題が生じているのか、なぜ教育機関と医療者との関係の構築が困難な状況であるのか、より具体的な状況を考え、質問内容を検討した。研究者3名で、繰り返し質問事項を検討し、最終的なアンケート用紙を完成した。現在、小児がん拠点病院のある近隣の小学校、中学校、高校での学生数及び教員数を調査中であり、より多くの学生が在籍している学校へアンケート調査を依頼する予定である。調査学校が確定後、各学校の校長に研究の依頼文を発送し、研究の同意を得る予定である。校長より、許可が下りた場合、教員分のアンケート用紙を発送する。
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今後の研究の推進方策 |
調査学校が確定後、各学校の校長に研究の依頼文を発送し、研究の同意を得る予定である。校長より、許可が下りた場合、教員分のアンケート用紙を発送する。アンケートを回収後、分析を行う。 教育機関でのアンケート用紙での調査後、インタビューの同意を得た教員にインタビューを実施する。インタビュー内容は、修正版グランデッドセオリーアプローチで分析を行う。 教員のインタビューが終了後、小児がん経験者とその母親に対してのアンケート用紙での調査後、インタビューを実施する。小児がん経験者・母親も同様にインタビュー内容を修正版グランデッドセオリーアプローチで分析する。3者の問題状況を明らかにし、支援プログラムの検討・開発を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度中にアンケートの発送を考えていたが、海外文献研究で得られた情報によるアンケート内容の再検討及びサンプルサイズの検討、調査機関の選定に時間がかかった。そのため、アンケート用紙の発送が遅れており、使用額が少なくなった。
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