研究課題/領域番号 |
23K10142
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
石井 美里 東海大学, 医学部, 教授 (10276660)
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研究分担者 |
望月 好子 東海大学, 医学部, 教授 (10300021)
三橋 祐子 東海大学, 医学部, 准教授 (10580813)
座波 ゆかり 東海大学, 医学部, 講師 (80811132)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 不育症妊婦 / 不育症治療 / 不育症看護 |
研究実績の概要 |
2023 年度は、国内外の文献を精読し「不育症女性の体験と心理に関する文献検討」を第64回日本母性衛生学会学術集会で発表した。国内文献からは不育症女性を対象とし、抑うつやストレスの持続する期間が不妊症女性とは異なること、パートナーとの関係、男性側の要望などの結果が得られ、国内文献からは主体的にストレスに対応している状況が伺えた。学会では、同様の不育症女性を対象とした研究者と情報交換を行ったが、全体に不育症への関心が高いとはいい難い状況であった。 また、2021年度から取り組んでいる、流産や死産の経験後に不育症の診断および治療を受けて出産した女性が、治療を受けながらの妊娠生活でどのような経験をしたかを明らかにした結果をもとに「Experiences and Narratives of Women Facing Recurrent Pregnancy Loss Treatment After Miscarriage or Stillbirth」を27th East Asian Forum of Nursing Scholars (EAFONS)で発表した。 現在は、2024年度以降の研究調査に向けて、不育症治療に特化している医療機関と、研究データの収集に向けたネットワークを構築するための打ち合わせを行っている。同様に不育症治療を受けながら妊娠・出産する女性を受け入れている近隣の医療機関とも調整しながら、不育症治療を受けている女性への看護実践の調査を行うための準備を行っている。共同研究者とともに文献を精読し、研究者間でのディスカッションを深めながら、不育症治療を受けている妊婦への看護および看護者の認識を明らかにするための研究を計画し、所属施設における臨床倫理審査委員会への倫理計画書を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究筆頭者が2021 年度から取り組んでいる「不育症女性の治療と妊娠中の経験」について、論文作成に取り組んでいることに加えて、COVID19が5類に移行するにあたり、研究者がそれまで実施してきた本研究以外の共同研究者との論文作成および、本務における感染対策の変更に対応する時間が増えたことも一因である。 また不育症治療に特化している施設、不育症妊婦に対応している施設でも、感染対策などの影響で業務が煩雑になっていることから、研究計画立案に向けての調整が中心となっているため、具体的な研究実施調査の調整が必要な状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は「不育症女性の妊娠から育児期までの状況(思い)・ニーズ」を量的研究によって明らかにする調査を実施するため、2021年度から取り組んでいる質的研究を基盤に質問紙を作成し、所属施設の臨床研究審査委員会の承認を受けるための研究計画書を作成中である。質問紙の作成にあたっては、共同研究者達と内容を精錬し、信頼性、妥当性を検証しながら調査できるように取り組む予定である。 その後は「看護職の不育症女性に対する理解・認識、看護実践の現状と課題」を明らかにしながら、妊娠中の看護や育児に向けての看護職の不育症女性に対する理解・認識、看護実践の現状と課題を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
①研究初年度のため、量的研究実施まで至らず、データ分析に用いる統計ソフトの購入が必要にならなかったため。 ②量的研究データを統計的に分析するためのソフトを購入する計画である。
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