研究課題/領域番号 |
23K10174
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
南 香奈 金沢大学, 保健学系, 助教 (30819389)
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研究分担者 |
辻 知陽 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (00523490)
東田 陽博 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 協力研究員 (30093066)
鏡 真美 (関塚真美) 金沢大学, 保健学系, 教授 (60334786)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | オキシトシン / 唾液 / 母親 / 産後うつ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、授乳や子どもとの触れ合いなど母子の相互作用時の母親の唾液オキシトシン反応性と産後うつなどのメンタルヘルスとの関連を検証することである。 令和5年度は、第1段階として授乳による唾液オキシトシン濃度の変化と母親のメンタルヘルスとの関連を検証した。 産後1か月~12か月までの母乳育児を行っている母親に対し、授乳前・中・後で唾液採取を行い、唾液オキシトシン濃度を測定した。また、実験開始前に母親のメンタルヘルスに関する質問紙調査[エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)、状態-特性不安尺度(STAI)、心理的ストレス反応測定尺度(SRS-18)、赤ちゃんへの気持ち質問票]を行った。唾液オキシトシンの測定はOT-ELISA kit (Enzo)を用いて既定の手順に沿って行った。 研究参加者の平均年齢は33.1±4.23歳であった(初産婦15名、経産婦46名)。唾液オキシトシンの平均値は<1>105.5±92.3 pg/ml 、<2>138.2±110.8 pg/ml、<3>116.5 ± 98.9 pg/ml、<4>114.1± 85.2 pg/mlであり、授乳前と比較して授乳中に有意に上昇した(p < 0.01)。また、授乳中の唾液オキシトシンの上昇率とEPDS、STAI(State-Anxiety)との間に有意な負の相関を認めた(EPDS:r = -0.583, p < 0.01)(STAI(State-Anxiety):r = -0.556, p < 0.01)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの先行研究において実験プロトコールや唾液採取のタイムコースがある程度確立していたため、スムーズに着手することが出来た。 また、研究協力施設からの多大なサポートにより研究参加者のリクルートが順調に進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
産後の月齢によって母乳育児の状況が大きく異なるため、細分化して分析を進める必要性がある。分析結果によっては研究参加者を増やすなどの対応を行っていく。 今後は、子どもとの触れ合いなどの情動刺激に対する母親の唾液オキシトシンの反応性、およびメンタルヘルスとの関連を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
検体を保存するための低温フリーザーの購入を予定していたが、実験室内で設置場所の確保が出来ず、現在調整中のため次年度に持ち越すこととした。
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