| 研究課題/領域番号 |
23K10212
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| 研究機関 | 名桜大学 |
研究代表者 |
村上 満子 名桜大学, 健康科学部, 上級准教授 (50403663)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| キーワード | 沖縄 / 相互扶助 / 再構造化 / 制度精神療法 / conviviality / 匿名性 / 農耕 / つながり |
| 研究実績の概要 |
R6年度の研究実績としては、次の三つがある。一つは、本研究において「分析の視座」とする「制度精神療法」を実践している、フランスのラ・ボルド病院からの招聘を受けて、視察・研修をしたことである。二つめは、相互扶助の再構造化に向けて、昨年度、明らかにした「人とのつながりや人の移動に関する9テーマ」のうち、3)校区や字ごとの特徴について、次の3つの基軸をもとに、面接内容等を分析したことである。3つの基軸とは、すなわち、(1)沖縄固有の地理的・歴史文化的背景のうちに、他人への配慮に関する根底的な特徴を見出すこと、(2)そこに住み続けることを前提とする人にとっての、A村の土地利用の在り方を検討すること、(3)つながりのない人(移住者等)を人々がどのように迎え入れているのか、である。三つめは、19字の字ごとの分析結果を統合して、①「字費(あざひ)」や、②世話人的区民の「気になる人へのかかわり」から「相互扶助の仕組み」解明を試みたことである。また、相互扶助の基盤にあると考えられる、③A村の「食」に関する語りを8つのタイトルに集約し、食にまつわる風習の内容、変遷、人とのつながりについて分析した。その結果、次の二つのことが示唆された。一つは、つながるためには、匿名性を担保して人とのつながりを疎遠にするのではなく、知り合う機会をつくること、もう一つは、人々の心身の回復を促し、収穫物を介して字民同士をつなぐ、「農耕」という溜めを効果的に使うことである。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
3: やや遅れている
理由
理由 今年度は、コロナ禍後で各字で豊年祭が再開されたこと、7字で区長や書記の交代があり、新たに着任した区長や書記に、研究依頼をしたこと等が重なり、調査の日程調整に時間がかった。そのため、当初予定していた、若い世代や移住者を対象とした面接調査ができなかった。
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| 今後の研究の推進方策 |
R7年度は、次の四つを実施する予定である。一つは、ラ・ボルド視察で得られた体験内容を、ジャック・ラカンやフェリックス・ガタリの主要著書をもとに考察し、キーとなる概念を見出すこと、二つめは、若い世代や移住者等を対象とした面接調査を行うこと、三つめは、研究協力者と意見交換の機会もつことである。四つめは、制度精神療法の視座から「新しい住民的相互扶助」の再構造化について具体的方略を提案することである。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
予定していた面接調査が実施できず、次年度に実施することになった。
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