研究課題/領域番号 |
23K10263
|
研究機関 | 長野県立大学 |
研究代表者 |
宮崎 紀枝 長野県立大学, グローバルマネジメント学部, 教授 (50349172)
|
研究分担者 |
渡邉 さやか 長野県立大学, ソーシャル・イノベーション研究科, 講師 (10965198)
今村 晴彦 長野県立大学, 健康栄養科学研究科, 准教授 (40567393)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | アントレプレナーシップ / 尺度開発 / ヘルスケア / 事業化 |
研究実績の概要 |
本研究は、ヘルスケア分野の事業化能力という視点から、起業家、企業・行政内起業家に共通するアントレプレナーシップに着目し概念分析と尺度開発を目指している。本研究の目的は、「ヘルスケア分野の事業化能力に焦点化したアントレプレナーシップ尺度の開発」である。このため、目標1:ヘルスケア分野におけるアントレプレナーシップの概念の明確化 目標2:構成概念の明確化と尺度の試作 目標3:尺度の検証と非認知的スキルとの関連 を行う。 令和5年度は、概念分析のために関連文献の抽出と文献検討を行った。ヘルスケア分野で使用される概念創出の方法を参考に、文献から先行因子、特性、帰結の3つに分類した。現在分類された3つのデータを分析している。途中経過としては、以下の通りである。 先行因子では、何らかの<放置できない課題>や<限界>を感じ、それに対する<何かをしたい><譲れない思い>を持っている。個人の背景には、身近に<モデルの存在>があったり、<仲間の存在>がある。 アントレプレナーシップの特性としては、ポジティブな側面とネガティブな側面の<理解されにくい両面性>を持ち、<大きな利益の可能性にリスクをとる大胆さ><熱意や積極性><信頼関係のある人脈づくり><自律性や革新性>があり、譲れない思いが核や軸となり<ダイナミックな反服プロセス>である。 帰結では、<周囲からの信頼><組織力の向上>効率性が向上し<経済的影響>、社会貢献などの<社会的影響>をもたらし<新しい価値創造>を起こす。 以上の分析を進め、新定義の作成と質問項目の抽出を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度の計画では、概念分析を文献のみで実施するか、インタビュー調査で補完する必要があるかについて判断し必要であれば実施する予定であった。現在、文献のみの分析を実施している。数件であるが、尺度に関する文献も入手できているため、インタビューの必要性を丁寧に検討したいと考えている。今年度、尺度開発に向けた質問項目を抽出し、質問紙の作成ができれば、期間内に目的を達成できると予測可能であったため、概ね順調と判断した。 また、ヘルス分野における実際のアントレプレナーからの意見をきくため、本研究のアイディアの元になった令和5年度末に先行研究の論文化を実現できた。
|
今後の研究の推進方策 |
令和6年度計画:質問項目の抽出、質問項目の検討、質問紙の作成、プレテスト 概念分析で用語の新定義を行い、特性を中心とし文献からの質問項目を集める。研究デザイン、質問項目の検討、仮説構築、基本的属性の項目、基準関連妥当性項目、研究計画書の作成、倫理審査委員会への提出を行う。表面妥当性確保のためのプレテストを実施する。 令和7年度実施計画:質問紙の精錬と本調査を実施し尺度化を目指す
|
次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査による旅費や謝金を予定していたが、次年度にずれ込んだためである。また、情報収集のための学会がオンライン開催であった。感染症が5類に変更されたが、ヘルス分野における現場の感染対策は維持されていることが多く情報収集等の対面訪問などは制限されている現状があった。 2023年度後半から学会等は対面が増え始めたため、2024年度は積極的に学会参加していく予定である。概念分析によるインタビュー調査は、現場の状況を考慮し必要な場合はオンライン等で補っていく予定である。
|