研究課題/領域番号 |
23K10274
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研究機関 | 豊橋創造大学 |
研究代表者 |
豊島 由樹子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 教授 (80249234)
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研究分担者 |
黒野 智子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (10267875)
山本 義昭 豊橋創造大学, 保健医療学部, 助教 (30980271)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 高次脳機能障害 / 母親 / 子育て / ピアサポート支援 |
研究実績の概要 |
高次脳機能障害(以下、高次脳障害)者は外見から障害が気づかれにくいが、生活場面の行動において障害が表面化し生活しづらさを抱えている。中でも高次脳障害のある母親は課題や行動を順序だてることが困難であるため、子育てを要領よく行うことが難しく、生活上様々な悩みや困り事を抱えやすい。また高次脳障害のある母親では母子関係が不安定になり、子どもの成長発達に影響を与える可能性がある。そのため高次脳障害のある母親の子育てにおける支援として、同じ障害を抱える母親同士が互いに悩みを共有し合い、障害を抱えながらも自らの持てる能力をいかして母子ともに安心して生活できるような子育てにおけるピアサポート支援が必要と考える。そこで、高次脳障害のある母親の子育てにおける生活実態と支援ニーズ、および高次脳障害の支援専門家からの子育てを行っている母親に対する支援内容を調査した上で、母親同士の交流を適切にファシリテートすることに向けたピアサポート支援プログラムを開発することを研究目的としている。 高次脳障害のある母親が感じている子育てにおける困難と同居家族に対する思いについて、高次脳障害の診断を受けて精神障害者手帳を持ち18歳までの子どもと同居している母親3名に面接調査を実施した。その結果、高次脳障害をもちながらの子育てにおいて、障害のため多重課題が行えない、自分のペースでなく子どもにあわせるとできない等から、出来ないことに直面した自尊心の低下が語られた。また家族に対する思いでは、子どもに対して、他とは少し違う母親と子どもに思われている、適切な対応ができない申し訳なさ、自分が子供に不利益になる恐れ、障害をもつ母親であることの負い目が語られたが、子どもに対する愛情等も語っていた。また夫・親に対しては助けを受けながらも、家族に障害を理解してもらえない、家族の不理解によって傷つく思いが語られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第1研究として、高次脳障害のある母親の子育てにおける生活実態と支援ニーズについて面接調査を実施した。しかし対象者がなかなか得られず、2023年度は3名にとどまった。現在、近隣県の家族会に研究対象候補者の紹介を依頼して、さらなる対象者を募っている。 また第2研究となる、子育てを行っている高次脳障害の母親に対して支援を行った経験のある専門職員から、実施した支援内容と支援における課題や今後望まれる支援について聞き取る面接調査を行うため、倫理審査にむけた研究計画書を作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に実施した高次脳障害のある母親が感じている子育てにおける困難と同居家族に対する思いの結果については、2024年度中に学会発表を行う予定である。第1研究の高次脳障害のある母親の子育てにおける生活実態と支援ニーズについては、今後さらに対象者を増やして、信頼性・妥当性の高い研究データとしていく予定である。 また第2研究として、子育てを行っている高次脳障害の母親に対して支援を行った経験のある専門職員から、実施した支援内容と支援における課題や要望について面接調査を行い、子育てをしている高次脳障害のある母親に対する適切な支援についての示唆を得る。 次年度以降に第1研究と第2研究の結果をもとに、母親同士の交流を適切にファシリテートすることに向けたピアサポート支援プログラムを開発していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
第1研究においては、対象者が想定していたほど集まらなかったため次年度使用が生じた。現在、家族会に依頼してさらなる対象者を募っている。2024年度は、18歳までの子どもと同居している高次脳障害のある母親で研究への同意を得られた新たな対象者に面接調査を実施する。 また第2研究においては、倫理審査承認後に、各都道府県の高次脳機能障害者の基幹支援拠点施設(都道府県の中核支援拠点であるクリニック・リハビリ施設および相談支援センター等)に研究協力の依頼を行い、子育てを行っている高次脳障害の母親に支援経験のある専門職員 (各施設1名) のうち研究への同意を得られた者に、面接調査を実施する予定である。 使用計画:インタビューにおける交通費、対象者への謝礼、テープ起こし、等
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