研究課題/領域番号 |
23K10275
|
研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
下田 優子 京都橘大学, 看護学部, 専任講師 (20845979)
|
研究分担者 |
石井 美由紀 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (40437447)
黒瀧 安紀子 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (70593630)
本田 順子 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (50585057)
清水 彩 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (90552430)
上野 まき子 京都橘大学, 看護学部, 研究員 (90906778)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | ワーク・ファミリー・バランス / 子育て / 保健師 / 連携支援 / アセスメント票 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、子育て家庭へのWFBの視点に立った関係機関の連携による支援を実現するために、共有ツールとなるWFBのアセスメント票を開発し、その有効性を検証することである。そのために次の3段階で研究を進める予定である。①就労を伴う子育て家庭のWFBを評価するアセスメント項目の抽出 ②WFBアセスメント項目の精選とスコア化 ③開発したアセスメント票の有効性の検証(アセスメント票の完成) 今年度はアセスメント項目の抽出を行うため、文献検索を進め項目の蓄積を行った。その中で、生活リズム、子育てサポートの有無、夫婦間の家事・育児における役割分担の状況が子育て家庭のWFBに影響していたことから、それらを捉えることのできるアセスメント項目が必要と考えられた。 親のWFBの課題を質的研究にて検討した結果、妊娠~出産~仕事復帰の時期によって変化していく事が明らかとなったことから、時期によって評価するアセスメント項目内容を考慮する必要性が示唆された。 また、親のWFBの課題に対する保健師、保育士による支援の実態を分析したところ、発達課題を抱える子どもへの支援にも早期から関わる必要性が明らかとなったことから、アセスメント項目の作成の際、その点も考慮に入れていく必要性が示唆された。2024年度は、アセスメント項目の作成に際し、現場の保健医療職・保育職の声をさらに反映させ、研究を進めていきたいと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アセスメント票を開発するにあたり、多機関連携に繋げていくためにはどの時点でのアセスメント票を開発することがより有効で、活用しやすいものとなるか、検討するのに時間を要した。これまでの検討結果を踏まえ、アセスメント票の開発を急ぎ、研究遂行の遅れを取り戻していきたい。
|
今後の研究の推進方策 |
現在実施している文献検討を引き続き進めるとともに、研究倫理委員会の承認を早急に得て、保健医療職や保育職へのフォーカスグループインタビューを行いWFBのアセスメント項目の蓄積を進める。 そして、WFBアセスメント項目の精選とスコア化を行う。具体的には、研究班にて蓄積したアセスメント項目からアセスメント項目案を作成し、保健医療職と保育職と共に内容妥当性を検討して原案に採用する項目を確認する。さらに、採用した項目群の内容を分類し、カテゴリー分けを行う。その後、全国の保健医療職と保育職に、郵送もしくはWebによるアンケート調査を実施し、各アセスメント項目について「WFB支援を実施する対象を判断する際にどの程度重要か」を-3から3までの7段階の数字で示すよう依頼する。集まったデータについて統計解析手法を活用し、各項目のスコア化をはかり、WFB不調を判断するためのカットオフ点の設定を行っていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた研究計画より遅れたことから、次年度使用額が生じた。今年度は、保健医療職や保育職へのインタビュー、全国的な質問紙調査の実施を予定しており、そのための調査費用、交通費等の支出が見込まれる。
|