研究課題/領域番号 |
23K10299
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
石塚 真美 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 講師 (20808349)
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研究分担者 |
笹原 信一朗 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10375496)
野田 勝二 千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 助教 (30361439)
石井 麻有子 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (30817606)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | サルトジェニック・プログラム / SOC / 健康生成 / 自然環境 / メンタルヘルス |
研究実績の概要 |
本年度は、サルトジェニック・プログラム開発のうち、レベル1のプログラム「自然環境の中で自身に向き合い、気付きを得るための健康生成」のプレテストを行った。2023年の6~7月の2回、東京都の檜原村で実施した。参加者は14名であり、うち、研究データの取得は11名であった。プログラム内容は、自然環境の中一人で過ごしてもらった。一人で過ごした後、参加者同士で、感想を共有し合った。自然環境ではプログラム実施前 (事前調査) 、プログラム実施後 (事後調査)、プログラム終了後1か月後3時点で評価した。評価項目は、SOC-13、ワーク・エンゲイジメント、ROS、AIS、K6であった。 事前事後調査の段階では、SOC-13やROSに有意な上昇が認められたが、1か月後の評価は減少していた。3時点での評価をフリードマン検定実施後、Bonferroniの補正で評価をしたが、有意な差は認められなかった。しかし、1か月後の自然を活用した変化の自由記述では、把握可能感(人生の中で状態がある程度予測可能で、説明できる)、処理可能感(何とかなる、何とかやっていける)、有意味感(日々の営みにやりがいや生きる意味を感じられる)の3つの観点で自然と自身の状況を記述していた内容が見受けられた。 1回のプログラムでは,SOC-13の尺度の有意な差は認められなかったが、参加者の記述内容より,レベル1のねらいであった「自然環境の中で自身に向き合い、気付きを得るための健康生成」には、一定の効果が認められたと考える。プログラム中~終了後1か月後までの期間に、サルトジェニック的な思考になるよう、ファシリテーションやプログラムの見直しを図ることで、参加者のSOCの向上に寄与できる可能性が示唆された。日常生活に自然を取り入れることを踏まえると、都市環境でのプログラムの実施の検討や、参加者獲得のための工夫も課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、プログラム1のプレテストを2回実施することができた。本調査までの実施や、夏以外のプログラムでの検証は実施できなかったが、おおむね計画通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
24年度の目標としては、レベル1の本プログラム実施に向け、データ収集を行う予定である。23年度の課題として、夏以外の季節でのデータ収集が実施できなかった事や、参加者がが全員女性という性別に偏りが生じた。また、自然環境を自身のストレスマネジメントに取り入れるためには、比較的交通アクセスが良い都市環境での実施も検討していくことで、参加者の日常生活で取り入れやすくなると考える。そのため、24年度は、千葉県の柏市や茨城県つくば市の2か所を視野に入れ、検討していく。そして、自然環境での介入プログラムは、欧州で盛んであるため、共同研究者が現地の研究者のフィールドに視察し、プログラムの充実に向けて検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度はプレデータ取得で終わったため、当初想定していたよりもプログラムの経費がかからなかった。
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備考 |
第1回は、noteの記事を作成しなかったため、2回目のみの作成となっている
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