研究課題/領域番号 |
23K10314
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研究機関 | 西南女学院大学 |
研究代表者 |
増本 由紀子 西南女学院大学, 保健福祉学部, 講師 (50824992)
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研究分担者 |
恒松 美輪子 広島大学, 医系科学研究科(保), 講師 (80704874)
川崎 裕美 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (90280180)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 感染症 / 季節性インフルエンザ / 学校 / 数理モデル / 学級閉鎖 / 養護教諭 |
研究実績の概要 |
学校における感染症の流行抑止には、学校の流行状況や特性を反映した根拠ある保健管理が大切となる。本研究は、学校で養護教諭が流行予測に基づき科学的根拠ある感染症の保健管理モデルを展開することを目的とする。学校で季節性インフルエンザの流行時に行われる学級閉鎖について、有効性を分析・評価する。そのため、学校での実際の季節性インフルエンザの流行と地域の流行をもとに、小学校と中学校での流行の特徴を分析し、さらに学級閉鎖の効果について定量的に示すことを目指す。 初年度(2023年度)は、(1)季節性インフルエンザを中心に、先行研究と既存の統計資料のレビューを行い、学校での流行に関与する要因について検討した。また、学校閉鎖や学級閉鎖が児童生徒の心身の健康に及ぼす影響、感染症に対する養護教諭の職務と役割について考察した。 (2)学級閉鎖の有効性を判断する上で必要となる小学校と中学校での季節性インフルエンザの流行データと所在する地域の流行データを収集した。収集した流行データを統計解析及びシミュレーションに活用できるデータに整理した。シミュレーション環境の構築を行い、研究環境の整備を進めた。 次年度以降は、まず統計解析により、小学校と中学校の季節性インフルエンザ流行について分析する。学校の状況やモデル構造に影響する諸条件の検討を進め、シミュレーションの施行と評価、及びモデルの改善を行う。実際の流行状況に応じて、現実的なモデルへの拡張を試みる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究等からの情報収集を行った。収集した小学校と中学校の季節性インフルエンザの流行データと地域データを統計解析及びシミュレーションに活用できるよう、データ整理を行い、シミュレーション環境の構築を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
前述のとおり、初年度には、一定の成果を得ることができたので、次年度以降、計画に沿い研究を進めていく。 (1)小学校と中学校における季節性インフルエンザの学級閉鎖の効果を定量的に評価するため、感染症数理モデルを構築する。シミュレーション試行のためのパラメータの推定にあたっての適切な条件設定のあり方についても検討し、学校インフルエンザの流行予測モデルの精緻化や推定されるパラメータの安定化を図る。シミュレーションの試行と評価、及びモデルの改善を繰り返し、モデル構築を行う。 (2)感染症に関する養護教諭の職務と役割について継続して情報収集し、分析・検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ワークステーションの設置について、研究分担者等との研究をスムーズに進めるために、常設型からモバイル型に変更したため当初の予算額に変更があった。また、発表を予定していた国際学会での発表は内容を再検討のうえ次年度の発表に変更したため、今年度の使用額を次年度に繰り越すこととした。 次年度の使用計画として、シミュレーションをスムーズに行うためのワークステーションの拡張、Windows11への移行に伴う統計解析ソフトの更新、及び学会等の成果発表に充て、研究に取組む。
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