研究課題/領域番号 |
23K10330
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研究機関 | 日本赤十字豊田看護大学 |
研究代表者 |
小林 尚司 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (90321033)
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研究分担者 |
野口 眞弓 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (40241202)
清水 みどり 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (50294806)
多賀谷 昭 長野県看護大学, 看護学部, 名誉教授 (70117951)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 多世代交流 / ソーシャルキャピタル / 地域運営組織 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、世代間の交流を通じた(Social Capital:SC)醸成のための効果的モデルを作成することである。 そのための方法としては、①:参加観察とインタビューによって、世代間の交流を通じた関係性の醸成の在り方とその意味を明らかにする、②:①の研究成果によって明らかになった関係性醸成の在り方とその意味に照らして、交流活動の修正を図る、③:修正した交流活動の評価を行う、という3点を計画している。研究フィールドは、都市化が進む地域であるA市の地域共生型福祉施設で実施されている、SCの醸成を目指す高齢者と育児をする父母との交流活動である。 2023年度は、SC醸成を目指す交流活動の場において、高齢者と育児をする父母が活動を共にして関係性が変化する際の当事者の内面をとらえるための、参加観察を実施する予定であった。しかし、研究フィールドである施設では、新型コロナウイルスやインフルエンザの感染拡大防止のために、SC醸成を目指す交流活動を再開できなかった。そこで、施設でSC醸成を目指す交流活動を始めた経緯についての資料調査や、交流活動の運営にボランティアで参加している高齢者へのインタビュー調査を実施した。 今年度の成果としては、①:現在の地域住民の交流活動を始める際には、A市に従来より存在していた町内会や老人会、PTA、NPO法人などが参加する協議会である地域運営組織からの働きかけがあり、その協議会の活動実態や働きの内容が明確となったこと、②:高齢者がボランティアで地域交流活動に参加した経緯と、高齢者自身にとっての活動に参加する意味が明らかになってきたことがある。 2024年度は、交流活動への参加を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の場であるA市の地域共生型福祉施設において、利用者の新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症の終息が見通せず、感染拡大防止対策を継続していることから、SCの醸成を目指す高齢者と育児をする父母との交流活動が再開できなかったためである。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、SCの醸成を目指す高齢者と育児をする父母との交流活動への参加を試みるが、現在のところ交流活動の再開が見通せない。また活動の内容が変化する可能性も否定できない。そこで、交流会が元通り再開されるまでは、現状でも調査可能な、地域内の交流促進活動に取り組む意思を持つ高齢者を対象にした、活動へ参加することの意味を探求する調査を継続する。 また今後の交流活動の実施状況によっては、現在の高齢者を対象とした調査を主軸にして、高齢者が主体的に活動する理由・背景を明らかにしてその点から交流活動を促進するプログラムを検討するというように、研究計画の変更も考慮する。
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次年度使用額が生じた理由 |
感染対策により、SC醸成を目指す交流活動が再開されなかったことから、参加観察によるデータ収集が実施できず、調査にかかる旅費・謝金が生じなかったため。
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