研究課題/領域番号 |
23K10350
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
佐藤 睦子 武蔵野大学, 看護学部, 准教授 (40737293)
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研究分担者 |
安本 理抄 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 講師 (00733833)
中原 洋子 大阪医科薬科大学, 看護学部, 講師 (60827997)
上野 昌江 四天王寺大学, 看護学部, 教授 (70264827)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 児童虐待予防 / 児童虐待 / 保健師 / 尺度開発 / 援助関係づくり |
研究実績の概要 |
児童虐待(以下、虐待)に関する相談対応件数および重症化・死亡事例の増加等、虐待は重要な社会的課題であり、妊娠期から子育て期の切れ目のない支援体制充実による虐待予防策の推進は重要な課題である。平成28年児童福祉法改正に伴う母子保健法改正により虐待予防が強化され、保健師は、母子保健事業や個別援助を通じて一次、二次予防に重要な役割を担っている。しかし、生育歴等から基本的信頼感や自尊心が持てずに生育した親との継続した関係性づくりは難しく、保健師の援助関係づくりに向けた力量の向上が急務となっている。本研究の目的は、虐待予防活動における支援が必要な母親との援助関係づくりに向けた保健師の個別援助実践技術尺度(以下、子ども虐待予防における保健師の援助関係づくり尺度)を開発、活用に向けたガイドを作成し、全国に普及することである。 令和5年度は、子ども虐待予防における保健師の援助関係づくりについて検討するため、保健師との意見交換や日本子どもの虐待防止学会等に参加し、最新の情報を収集、知見を広めた。さらに、保健師が行う虐待予防活動における支援が必要な母親との援助関係づくりの概念構造を明らかにするために、国内文献を中心に虐待予防に関わる保健師の母親との援助関係づくりに関わる文献を収集した。その文献等から、概念のあらゆる使用について概念の構造と機能を調査、分析を行い、子ども虐待予防における保健師の援助関係づくり尺度(研究1)に向けた援助技術の明確化および尺度原案の質問項目抽出に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
子ども虐待予防における保健師の援助関係づくりについて検討するため、保健師との意見交換の実施や学会参加によって最新の知見を得た。さらに、国内外の虐待予防にかかわる保健師の援助に関する文献等を収集し、保健師の援助関係づくりの内容について整理、分析している。これらの内容をもとに、熟練保健師を対象に子ども虐待予防における援助関係づくりに向けた支援内容について、調査を行う準備に着手しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、以下の計画で進める予定である。 ①文献検討等により明らかにした子ども虐待予防における保健師の援助づくり尺度(研究2尺度原案の作成)の原案作成を行う。 ②子ども虐待予防における保健師の援助づくり尺度の開発項目の精選と信頼性と妥当性の検証ために、母子保健の実務経験10年以上の保健師および母子保健に関する教育研究者アンケート調査を行う。 ③学術学会や学会誌への投稿にて発表し、広く意見・評価を得る。
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次年度使用額が生じた理由 |
節約に努めたため。
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