研究課題/領域番号 |
23K10434
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
津田 哲也 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 講師 (50613014)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 語彙・意味記憶 / 加齢 / 認知症 / 失語症 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、申請者の若手研究課題「失語症・認知症者でも実施可能な語彙・意味的知識構造に焦点を当てた評価法の開発(18K17328)」を拡充させ、ヒトの意味記憶障害を診断するための、本邦初の包括的評価システムを構築することである。従来の神経心理学的評価に加えて、申請者らが取り組んできた実験心理学的な評価法(意味的プライミング)や認知心理学的な評価(意味属性叙述課題)を用いて、健常高齢者における意味的知識構造、障害の有無や重症度を客観的に診断できるシステムを開発する。研究の主目標は新しい評価・診断モデルの開発であるが、この研究によって、健常者における意味記憶の、脳内での表現形態や加齢の影響、健常な加齢と意味記憶障害を有する加齢との決定的な違いについて明らかにし、高齢期の意味記憶障害診断の検出力と障害の様相、およびその発現メカニズムを明らかにすることを目指す。 計画初年度である2023年度は関連する基礎研究の資料収集や実験環境の整備及び、実験素材の収集を実施した。また所属する機関の研究倫理審査を申請し承認を得た(承認番号第23MH003号)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り2023年度は基礎資料の収集や実験環境の整備を行うこと、倫理審査の承認を得ることまで進めることができており、おおむね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は前年度までに得た実験素材や環境をもとに高齢者や認知症者・失語症者にも実施しやすい実験計画を立案する。また、2025年度から本格的にデータ収集を行うために、少数例の高齢被験者、高齢認知症者を対象にパイロット研究を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症は5類となったが、多くの施設や医療機関での入構制限は続いており、学外での調査や実施状況の臨床調査に出向くことが困難であったため、旅費や人件費は当初予定していた使用に至らなかったため。
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