研究課題/領域番号 |
23K10452
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
花田 匡利 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (00596869)
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研究分担者 |
田中 貴子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (00612409)
神津 玲 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (80423622)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 間質性肺疾患 / 筋萎縮 / サルコペニア / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
昨今,慢性呼吸器疾患においても虚弱高齢化が問題視され,加齢に伴う筋力低下(サルコペニア)を有する虚弱(フレイル)の患者は少なくない.特に,主症状である呼吸困難の影響から日常生活が制限され,フレイルに陥るリスクも高いことが推測される.また,骨格筋機能障害も呼吸困難の増悪因子であると指摘されている.これらを予防するために運動療法が必要であるが,呼吸困難のために実施困難な患者も多く,その効果が期待できない.そのため,新たな運動介入が必要となる.本研究の目的は,慢性呼吸器疾患患者ではフレイルの実態について調査し,フレイルを有する慢性呼吸器疾患患者に対する新たな運動プログラムを開発することである.そのためには,慢性呼吸器疾患患者ではフレイルの実態について調査する必要がある.その評価方法にはいくつかの指標があるが,身体的フレイルの評価としては一般的にリハビリテーション分野においてもShort Physical PerformanceBattery(SPPB)が広く用いられている.SPPBの内容は,3 つの運動要素(バランス能力,歩行速度,起立動作)で構成されており,簡便である上に虚弱性の評価に必要な身体能力を網羅している.合計は12 点であり,サルコペニア新診断基準(AWGS2019)でのカットオフ値は9 点以下とされている.今回,多施設共同研究ということで,慢性安定期にある呼吸器疾患患者が各施設でどの程度存在するのか実態調査を行った.現在,共同研究への参加施設が約60施設程度となり,各施設の方針やシステムも異なるため,調整に難航しているが,概ね研究の遂行は可能な状況であり,倫理申請に向けて準備を進めている.予備研究として,慢性呼吸不全患者36例でデータ収集を行い,主要評価項目である身体活動量(歩数)の増加を認め,また,SPPBの合計点数は約8点から10点まで増加を認めた.特に転倒等のイベントは認めなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度,予備研究を行い,令和6年度より今回のトレーニングプログラムでの介入研究を予定しているため,最適な機器の選定を行い購入する.
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度より本格的に,トレーニングプログラムを適応し,効果検証を行っていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)参加施設でのデータ収集の実行可能性についての検証に時間を要し,研究計画が遅れていることと,採用予定の歩数計の精度を確認していたため
(使用計画)採用予定の歩数計を購入する予定である.
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