研究課題/領域番号 |
23K10463
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
武田 湖太郎 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (50618733)
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研究分担者 |
矢代 大祐 三重大学, 工学研究科, 准教授 (60607323)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 粘弾性 / 関節 / トルク / 筋電図 |
研究実績の概要 |
痙縮は脳卒中や脊髄損傷などにみられる後遺症のひとつであり,筋緊張の亢進をはじめとした神経性の変化や,関節の粘弾性増加 (非神経性の変化) により,日常生活活動(ADL)の改善を目的とするリハビリテーションを阻害する.臨床においては,徒手で関節を他動的に運動させた時の抵抗を主観的に段階づけて評価する手法が用いられているため,評価の再現性や妥当性が低く,その解決が望まれている.筋の異常活動を抑制する薬剤の投与や運動療法などの痙縮治療の効果を適切に判定するには,再現性の高い他動運動と客観的な抵抗力測定,および抵抗力を神経性・非神経性に分離して評価することが必要である.本研究では足関節の痙縮を主な対象とし,関節他動運動時の抵抗を神経性と非神経性の成分に分離する方法の開発を目的とする. これまでに開発した高精度装置は,0.5 - 90 deg/s で一定角速度での足関節底背屈が可能だが,本研究では徒手の臨床評価と同程度 (約150 deg/s) の高角速度で底背屈するための制御系を構築する. 筋長と力の関係において,筋電図の二乗平均平方根の値が筋長依存に筋力と関係する事象は古典的に知られているが定式化されていない.そこで本研究は底屈方向の力を筋電図と2関節角度 (筋長) で表す関係式を作成する. 当該年度においては,高精度に足関節を運動させる装置の開発・改良を進めるとともに,下肢の底屈力と筋活動との関係を調査するための実験系の作製を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高精度に足関節を運動させる装置の開発においては,装置の回転軸と足関節の回転軸のズレによる誤差を補正する方法の模索を進め,健常成人を対象とした実験データを用いて足関節の粘弾性モデルの改良を進められる状況になった. 下腿三頭筋の筋活動および底屈力を測定する実験系が完成し,あらゆる膝関節,足関節におけるヒラメ筋・腓腹筋の筋電図計測と発揮する力の同時計測が可能になった.そして筋活動の信号処理パラメータや各筋の発揮筋力を推定する実験方法の策定が進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
高精度に足関節を運動させる装置による実験では,これまでに申請者らが作成してきた時変弾性係数による粘弾性モデルの改良をすすめることで足関節における関節の硬さをより正確に表すモデルの開発へ繋げていく. 筋活動と力の関係においては,下腿三頭筋の筋電図情報から,ヒラメ筋および腓腹筋が関節角度に依存してどのような力発揮に関わっているのかを定式化していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画で購入予定であった力センサについて,実験遂行上の理由により改造が必要となったことで予算執行の変更を余儀なくされた.また,2年次以降に実施する予定であった力測定やモデル作成を初年次に実施することができるようになったため,それを優先させて研究を遂行した(研究計画を見直した).その結果として,初年次に実施する予定であった研究(とそれにともなう物品調達)を2年次以降に行うこととなった.
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