研究課題/領域番号 |
23K10495
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
坂口 雄哉 兵庫医科大学, リハビリテーション学部, 助教 (30803449)
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研究分担者 |
奥谷 研 兵庫医科大学, リハビリテーション学部, 講師 (30548368)
平上 尚吾 兵庫医科大学, リハビリテーション学部, 教授 (60637643)
水野 由子 (松本由子) 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 教授 (80331693)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | VR / バーチャルリアリティ / 運動観察 / 運動イメージ / 運動模倣 / 脳波 / 自律神経 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
本研究では、頭部装着型ディスプレイ(Head Mounted Display:HMD)を使用した「Virtual Reality(VR)環境下での運動観察」と、タブレットディスプレイ(Tablet Display:TD)を使用した「従来の運動観察」が、脳・自律神経活動、運動パフォーマンスに与える影響を調べることを目的としている。 2023年度は、研究対象者のリクルート、脳・自律神経活動の測定、およびデータ解析の一部を実施した。得られたデータから、HMDを使用した場合には、TDを使用した場合と比べて、多くの脳部位でアルファ帯域とベータ帯域の脳波のパワースペクトル値が上昇したことが明らかになった。このことから、HMDの使用によって、高次の能動的な注意制御が行われ、研究対象者がタスクに集中していた可能性があると考えられた。また、HMDを使用した場合には、TDを使用した場合と比べて、前頭部-頭頂部のアルファ帯域とベータ帯域の脳波のコヒーレンス値が上昇し、前頭-頭頂ネットワークに相当する部位の機能的結合性が高まったことが示された。さらに、前頭部-後頭部や前頭極部-後頭部のベータ帯域の脳波のコヒーレンス値が上昇し、視覚情報処理に関わる脳部位の機能的結合性が高まったことも示された。これらの結果から、HMDは従来のTDと比較して、脳活動を増加させる可能性が示唆された。 自律神経活動については解析の途中であるが、HMDを使用した場合には、TDを使用した場合と比べて、交感神経活動が増加する可能性が示唆されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳波、指尖容積脈波、心電図の測定は完了し、脳波については成果の一部を論文にまとめ、雑誌に投稿した。
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今後の研究の推進方策 |
測定済みの指尖容積脈波と心電図の解析を進め、自律神経活動の評価を行う。また、運動パフォーマンスの評価も行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)物品費に関しては、データ解析に用いるパソコンや周辺機器、ソフトウェア等の購入が必要とならなかったため、未使用額が生じた。旅費に関しては、国際学会への参加登録が次年度に持ち越されたため、未使用額が生じた。人件費に関しては、研究対象が学生となり、謝金の支払いが不要となった。その他の費用に関しては、英文校正費が想定より少額だったため、未使用額が生じた。 (使用計画)物品費に関しては、データ解析の過程で必要となる機器やソフトウェアの購入に使用する予定である。旅費に関しては、学会発表等で使用する予定である。その他の費用に関しては、学会登録や論文投稿等に使用する予定である。
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