研究課題/領域番号 |
23K10514
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
岡田 弘子 順天堂大学, 医学部, 助教 (20433774)
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研究分担者 |
篠原 光代 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (00301507)
井下 綾子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00514762)
葛西 隆敏 順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60465036)
松本 文彦 順天堂大学, 医学部, 教授 (70445584)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 睡眠時無呼吸 / 口腔・咽頭機能 / 口腔・咽頭筋機能訓練 / 頭頸部癌 |
研究実績の概要 |
本研究では、睡眠時無呼吸(sleep apnea: SA)の合併の多い頭頸部癌を対象に口腔・咽頭機能の評価を行い、機能低下の原因を究明する。その上で、口腔・咽頭筋機能訓練を行い睡眠時無呼吸の改善を図る。最終的には、一般の睡眠時無呼吸患者の機能訓練の適応基準を作成し、SAの新規的かつ根治療法の確立を目指す。 研究1年目は、我々の既報(Inoshita A, et al, APM 2022)をもとに、主に終夜ポリグラフ検査(polysomnography: PSG)から睡眠中の嚥下を同定する手法に注力した。PSGでのオトガイ筋電図の電位の変化と、鼻・口気流センサーから嚥下反射を検出し、睡眠中の嚥下回数と嚥下持続時間を測定した。そして、頭頸部癌(n=16)と非頭頸部癌(健常人, n=31))との比較を行った。その結果、頭頸部癌では嚥下回数(合計、時間平均)が有意に多く(p=0.008)、嚥下所要時間が優位に長いことが判明した(p=0.025)。頭頸部癌患者では治療前後ともにその咽喉頭機能低下を呈していることから、SAの合併が高いだけでなく睡眠中の不顕性誤嚥のリスクも高いことを示唆した。 本研究成果の一部は、第37回日本口腔・咽頭科学会(2024年9月)において発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
終夜ポリグラフ検査の波形から睡眠中の嚥下を同定する手法に苦慮したため。 また、症例の収集に苦慮したため。
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今後の研究の推進方策 |
2年目以降は症例集積の継続と、収集した症例のデータ解析を蓄積する。 集積した各評価項目を統計学的に解析する。SAの発症や重症化への影響因子について、多変量解析を用いて解明する。 研究成果の外部への発信のために積極的な学会発表、そして論文発表の準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
以下を主な理由として、研究の進捗が遅れているため。 ・終夜ポリグラフ検査の波形から睡眠中の嚥下を同定する手法に苦慮したため。さらに今後は、嚥下の同定について検査波形を再解析する必要があるため。 ・症例の収集に苦慮したため。
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