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2023 年度 実施状況報告書

集中治療患者における人工呼吸器装着下での嚥下障害の評価法および治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K10532
研究機関長崎大学

研究代表者

高畠 英昭  長崎大学, 病院(医学系), 教授 (80607854)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードdysphagia / aspiration / critical care
研究実績の概要

ICU退室後の患者の予後を規定する因子は様々であるが、嚥下障害も重要な位置を占めている。ICU患者の原疾患には脳神経系疾患や頭頸部疾患・食道癌など、嚥下障害を直接引き起こすものもある一方で、それ以外の患者にも嚥下障害が発症することが知られている。なかでも、挿管・人工呼吸管理後の患者に起こる「抜管後嚥下障害」は、近年注目が集まっている。
抜管後嚥下障害は、臨床現場では比較的高頻度に認められると考えられており、ICU患者の予後不良と関連があることが知られているが、その正確な頻度や持続期間、予防法、治療法についてはまだ十分に解明されていない。
ICU患者において、抜管直後に嚥下スクリーニングを行うことが勧められている。しかしながら、抜管後に行われる評価は、嚥下障害が完成してからの「事後処理」の面が強い。誤嚥と強い関連があると考えられている人工呼吸器関連肺炎(VAP)は、高い致死率で知られているが、文字通り人工呼吸管理中の患者に起こる肺炎である。すなわち、誤嚥に関連した合併症は、抜管より前にすでに起こっている。しかしながら、現在広く行われている嚥下スクリーニングテストや嚥下内視鏡検査・嚥下造影検査は、抜管され、意識状態が改善し、飲水などの指示に従える患者のみを対象としている。人工呼吸管理中の患者の嚥下機能の評価法や訓練法は現時点で不明であるが、挿管・人工呼吸管理中の患者の嚥下機能の評価法や訓練法が分かれば、抜管後嚥下障害の予防や早期介入が可能となると思われる。
これまでに、自発的嚥下回数と嚥下機能には関連があることが示されており、本研究では、人工呼吸管理患者における抜管前からの嚥下機能の評価の目的で、ごっくんチェッカーという嚥下の有無を音声で判別する装置を購入し、人工呼吸管理下患者の自発的嚥下回数を計測している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

ごっくんチェッカーDXは嚥下音で嚥下回数をカウントする装置であるが、人工呼吸下患者の嚥下音のピックアップの正確性に問題があり、実際の嚥下回数を正確にピックアップできるようにする工夫が必要であるが解決に時間を要している。

今後の研究の推進方策

人工呼吸管理患者のみに限らず、挿管されていないICU患者も対象に自発的嚥下回数を計測する。

次年度使用額が生じた理由

現状では、嚥下機能評価のための自発嚥下回数カウントの正確性について検証を行っており、嚥下障害治療のための介入の装置として頚部干渉波刺激(IFC:Interferential Current)装置(商品名:ジェントルスティム)を購入にまで至っていない。今後ジェントルスティムを購入し介入試験までの実施を予定している。

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公開日: 2024-12-25  

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