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2023 年度 実施状況報告書

臨床試験に向けた随意的筋電位の発生を促す可変難易度リハビリ訓練システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K10550
研究機関岡山理科大学

研究代表者

林 良太  岡山理科大学, 工学部, 教授 (40288949)

研究分担者 吉田 浩治  岡山理科大学, 工学部, 教授 (00254433)
衣笠 哲也  岡山理科大学, 工学部, 教授 (20321474)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードリハビリテーション / 訓練システム / 表面筋電位 / バイオフィードバック / 促通運動療法 / 操縦システム
研究実績の概要

手関節の屈曲・伸展運動において、随意的な表面筋電位の発生を促す訓練ができる臨床試験に対応可能なリハビリ訓練システムを開発することを目的として、以下の項目に沿って研究を遂行した。
1.パソコンモニタ上に表面筋電位の強さと訓練課題を提示する訓練装置を構築した。手関節の掌屈と背屈に関する筋の表面筋電位を筋電センサで測定し、測定した表面筋電位の値に応じてノートパソコンのモニタ上の仮想的なアームが往復運動するリハビリ訓練装置を構築した。その際、聴覚と視覚によるバイオフィードバックの効果を高めるため、仮想的なアームが目標位置に到達したことを音で知らせるとともに、測定した表面筋電位の大きさをモニタ上に棒グラフの形で訓練画面上に提示するように、コンピュータプログラムを構築した。
2.手関節の掌屈と背屈運動に対して抵抗を与える装具(抵抗器具)を手の固定台に設置した。健常者の協力のもとで行った訓練実験において、手関節の最大可動域のところで伸展筋あるいは屈曲筋に力を入れると、手関節に痛みが生じるという問題があった。そこで、手関節の可動域を物理的に抵抗器具で狭めて調整することで、この問題を解決することができた。
3.訓練システムの操作用ソフトウェアを構築した。リハビリ現場の医師やセラピストでも操作が容易なグラフィカルユーザーインターフェイスを構築した。モニタ上のボタンをクリックすることで、訓練の実施と訓練結果の提示、および訓練者のID番号と訓練データの管理ができるアプリケーションを構築した。
以上の研究成果の一部を2023年度電気学会電子・情報・システム部門大会にて発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年度は、手関節の屈曲・伸展運動において、随意的な表面筋電位の発生を促す訓練ができるリハビリ訓練システムを構築して、臨床試験に対応可能となるように開発と改良を進めることができた。そして、可変難易度訓練手法を適用して健常者を対象とした訓練実験により訓練データを収集することで、提案する訓練システムの有用性を示すことができた。さらに、リハビリ現場の医師やセラピストでも操作が容易となる訓練システムの操作用ソフトウェアを構築することができた。これらの成果をもって、鹿児島大学桜ヶ丘地区臨床研究倫理委員会の審査を受けたところ、鹿児島大学病院リハビリテーション科が実施する研究において、提案するシステムを用いて患者を対象に運動計測を行うことが認められた。以上のとおり、本研究の進捗はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

令和6年度はリハビリ現場の医師(鹿児島大学医歯学域医学系・助教)を研究分担者に加えて、令和5年度に得られた研究成果をもとに、臨床試験に対応可能なリハビリ訓練システムの開発と改良を目的として、以下の項目に沿って研究を遂行する。
1.片麻痺患者を対象とした訓練実験のデータを収集する。
2.手関節の伸展あるいは屈曲のみ自動運動可能な患者に適応する機能を追加する。
3.訓練システムの適用範囲を広げるために可変難易度訓練手法の条件を検討する。
4.得られた研究成果を学術講演会等で発表する。

次年度使用額が生じた理由

令和5年度に購入を予定していた計測機器の価格が当初より高額だったため、翌年度分として請求した助成金と合わせて、令和6年度に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 随意的な表面筋電位の発生を促す手関節リハビリ訓練支援システム―掌屈背屈運動に対して抵抗力を加える例―2023

    • 著者名/発表者名
      若宮大河,林良太,衣笠哲也,吉田浩治
    • 学会等名
      2023年電気学会電子・情報・システム部門大会

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公開日: 2024-12-25  

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